スポンサーサイト

--/--/--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[↑]

・悪意の基準

2011/09/25

 ネモさんマジ便利。閣下マジむっつりDT精神保持者。
「ねーねーネモ、あんたにちょっと聞きたいことがあるんだけどさー」
「お嬢ちゃん、悪いけどボクは多忙なんだ。
何か用件があるんなら、またあとで話しかけてくれないかな」
「嘘つけ! さっきからぶらぶらしてるだけのくせに!
大体、あんたアルティナちゃんが話しかけてきたらすぐさますっ飛んでくじゃないのよ!」
「それは当然。ボクは彼女専門のプリニーを兼用してるからね」
「アルティナちゃんは別にそんなのいいって言ってたし、それ自称でしょ」
「自称で何が悪いんだい。彼女はあらゆる意味でボクの大切なひとなんだ、そのくらいは当然じゃないか。
……しかしまあ、アルティナさんと親しい君たちにも一応恩はある。
話くらいは聞こうじゃないか」
「うわムカつくわあ、プリニーのくせにそのドヤ顔……。
ま、それはともかく本題だけど……『悪意』ってさ、どんなの?」
「はン?
君、それ本気で言ってるのかい?」
「い、いやちょっと、そんな呆れた顔しないでよ。
なんだっけ、いつか皆がさ、人間界は悪意に満ちているーとか言ってたけど、アタシの周りは特にそんなの感じなかった訳。
今まで通ってた学校でもいじめが起こってるとかなかったし、あんただってパパの性格や職場のこと知ってるでしょ?
あそこも人間関係ギスギスしてるとか聞いたことないし、周りが事件事故とかにも巻き込まれたことなかったしさ、悪意なんか、アタシ感じたことないのよね」
「ふうん、だから本当に人間界に悪意が満ちていたのかをボクに訊きたいって?」
「まー、大体そんなとこ……」
「はは、十五歳だっけ。そのくらいの狭い世間しか知らないなら、そう思っても不思議はないね」
「わ、悪かったわね世間知らずで」
「君はあんまりニュースを見ていなかったみたいだけど、君の国でも殺人事件は毎日起こっていたろう。
それも一日一人だけ殺されるなんて可愛い規模ではないはずだよ」
「……う、確かに」
「それを各地方にして、更には各国にすれば、一日でどれだけの明確な悪意、殺意が生まれていたかは大体わかるはずだ」
「……うう」
「殺意に昇華されるのはまだ稀として、死ぬまではいかない傷害事件もあるね。もっと言うなら誰かを恨んだり妬んだり疎んだりは人間誰しも持ち合わせる感情だ。
君にだってあっただろう、あのムカつく先生、とっとと別の学校に行ったり辞めちまえばいいのに、とか。
このおっさん足遅くて邪魔だ、あの男子うるさい、この店員ひとの話聞いてない、鬱陶しい奴みんなとっとといなくなっちまえ、とかさ」
「ええー!? そんなのも悪意になっちゃうの?」
「当然だよ。それらも悪意の一つとしてカウントされ、だからこそ『恐怖の大王』プログラムが発動したのさ」
「むう……それじゃ悪意が人間界に満ちているなんて言われるのも、納得しちゃうかもしれないわね。
けどそっかあ、そんなのでも悪意扱いなんだ……結構ショック」
「おやおや、案外君はナイーブなんだねえ。
……いや、悪意の基準を甘く見ていたんだからそうでもない、どころか間逆かな?」
「悪かったわね、どうせ他人を敬うことなんてないわよ!
……けど、じゃあさ。
アタシがヴァルっちのプリニープリニーうるさいのをうざったいって思うのも、悪意なの?」
「うざったい『死ねばいいのに』と思ったら悪意、かな」
「よし、死ねまではいってないからセーフね!」
「おいおい、一体君は彼を相手に何思ったんだい」
「えーと、『アルティナちゃん誰かに奪われちまえばいいのにー』」
「ぶフっ……!
き、君それは、彼にしては『死ねばいいのに』より残酷だよ?
悪意だ悪意!」
「え、そ、そうかなあ?
じゃあ、デスコがいつか勇者に挑まれて返り討ちにしたいって思うのは?」
「微妙だなー。けどま、殺す気はあるから悪意かな」
「エミーゼルがアクターレを暗殺して……」
「悪意だね」
「フェンリっちがアルティナちゃんを邪魔だと思ってるのは」
「悪意じゃないかなあ」
「ヴァルっちがアルティナちゃんに抱く気持ちも……!」
「感情の方向性がどうあれ結果的に泣かせたいと思ってるなら正直なところ悪意だよねー」
「やっぱりー!」
「ほう、そうなのか。
まあ自分でも善意ではない自覚はあったが、そう言われると癪に障るな」
「「ん?」」
「……それにしても、問題児プリニー二体が揃って教育係たる俺に失礼な口を利いている場に遭遇するとは有り難い。
よし、俺直々に教育してやろう」
「「は?」」
「煉獄に囚われし魔神よ!
我が命に従い悪辣なる異形を表せ!」

/ギャー!\


「ど、どうされましたの、お二人とも?」
「……いやーその」
「世界は悪意に満ちているなーって実感したところ」
「はい?」
関連記事
スポンサーサイト
[↑]
Copyright (c) 掃き溜め All Rights Reserved.

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。