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・返事

2011/07/20

 長くなったのでワンクッション。
 自分の誕生日なんだから好き勝手にキャッキャウフフ書いていいよね!

「アルティナ」
「はい」
「アルティナ」
「はい?」
「アルティナ」
「はい、何かご用がおありですか?」
「……いや、その。用と言うほどでもないのだが」
「はい?」
「…………何と言うか。
お前の名を呼んで、お前が答えることが……悪くないと、思ってな」
「どうしてそう思われるんです?
あなたが呼んでくださっているんですもの。わたくし、いくらだって平気で答えますのに」
「あ、悪魔を茶化すな」
「どうして茶化すだなんて思われるのかしら。
そんな気なんて全くありませんのに」
「ええい、からかうな!
お前の質問に答えんぞ!」
「……それは困りますわね。
大人しくしていますから、どうか教えてくださいな」
「………………。
その……お前がいない間、お前の名を何度も呼んだ」
「…………」
「……声に出しても、お前がいないのだから無論返事などない。
お前に何度呼びかけようが自分の声ばかりが響き、虚しいだけだと気付いて、すぐにそんな真似は止めた。
しかし……なんと言うか、呼びかけたい気持ちはあるから、次は頭の中でお前に呼びかけるようにすればな。
それはそれで、ときに際限なくお前の名を繰り返してしまう」
「…………」
「それもまた、虚しくなった。
頭の中で記憶のお前に『反応』させようが、実際のお前が目の前にいなければ意味はない。
お前自身からの声が返ってこなければ、呼びかける意味もない」
「……それでも。
それでもあなたは、わたくしにずっと呼びかけてくださっていたの?」
「……意味はないと、わかっていたがな。
愚かしい真似の自覚はある。だが……どうにも止められなかった。おかしな話だ」
「そうですか?」
「お前は違うと?」
「わかりません。
……あなたがわたくしに、心の中でもずっと呼びかけてくださったことは、勿論わたくしにはわかりませんでした」
「…………」
「けれど、そうやって呼びかけてくれていたと知って、わたくしは、とても、……その、嬉しいのです。
それと、やはり、申し訳なくて……」
「……頭の中まで見通せる訳がないのだ。
お前が畏まる必要はない」
「そうですけど……それだけあなたの呼びかけに答えられなかったんですもの。
申し訳ないと思うのは、当然ですわ」
「……アルティナ」
「……ですからね。
改めて思いましたわ。あなたがわたくしの名を呼んでくれるのならば、いくら理由があろうとなかろうときちんと答えると」
「……お前な」
「あら、わたくし、何か変なこと言いましたかしら?」
「言った。自覚がないのか。
……全く、融通の効かん女だなお前は」
「まあ、頑固なあなたに言われたくありませんわね」
「俺の場合は誇り高い、だ。お前の意固地と一緒にするな」
「もう、随分と酷い仰りようですこと。
わたくし、あなたに比べれば柔軟な思考の持ち主ですのに」
「柔軟の意味をもう一度調べておけ。単語の意味の変化は人間界ならよくあると聞くぞ」
「……意地悪な方」
「無論。悪魔だからな」
「…………」
「……アルティナ?」
「何です?」
「…………いや。何もない」
「そうですか」
「アルティナ」
「はい?」
「……やはり、お前は意固地な女だ」
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