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魔女と湖畔のコウモリ-後編2-

2013/08/17

 響にラジオCD詳細きた!→キタエリは通常版収録。ゲストはHIYAMA→……ですよねー(:D)rz
 不用意な出費は避けられたがなんかこう……こう……

 百騎兵の売上D2超えおめでとうございます。これもう次回作か完全版確定と言ってもいいよね!
 今回は魔女と百騎兵の絆とか友情メインだったから次回は恋愛メインでおねがいしゃす! けどそれで主役陣が今作ラスボスのふたりの名前だったりしたらごっつい凹む! けど有り得そうなのがめっちゃ怖い!

 …これらのモヤッとしたり凹んだりな思いを叩きつけるようにあらすじ多分これで最後。



 魔女の住処。意識が戻った患者の世話をする湖畔の魔女。お互いに顔見知りらしく和やかな雰囲気だったが、患者が大怪我を負った原因が話題になり不穏な雲行きに。
「…父ちゃんと喧嘩したんだ。おれが魔女さまのところに行くって言うと、もうあんな女に近づくのはやめろって」
「…それは…」
「けどおれ、父ちゃんも母ちゃんも、町のみんなほとんどが魔女さまの世話になったの知ってるんだ。なのにあんな態度取るなんて…絶対おかしい。間違ってる!」
「…人には色々な事情があります。あのときはあなたのご両親もわたくしの処置に納得してくださったけれど…」
「納得どころか喜んでたさ!
魔女さまはすごい、魔女さまのおかげでどんな怪我でもすぐ治るし、病気もしない。老けなくなったって!
けどそれは最初の数年だけだった…。(決まり悪気に俯く魔女)
あの女のせいで酒に酔えない、疲れにくいせいで長いこと働きたくないのに働いちまう。もっと若い頃の姿にしてほしかったって、グチグチグチグチ…!
おまけに使いもしない金を、いつの間にか魔女さまへの借金だと思い込んで、みんなして魔女さまを詐欺師みたく言ってさ!
そ、それだけじゃない…魔女さまを、命の恩人の魔女さまを、ほかの魔女に退治してもらうって言い出したんだ!」
「…え?」
 顔を上げた魔女に抱きつく患者。抵抗する魔女だが、腕力の差で患者を振りほどけない。
「痛めつけて言うこと聞かせるんだってさ…自分たちを簡単に不老不死にできる魔女なんだから、若返るのも酒に酔えるようにするのも簡単だろうって、みんなで依頼費を出して!
お、おれが、家に戻ったら、依頼を受けてくれた魔女が見つかったって、祝杯なんか…挙げてやがったんだ…
なな、なんなら、お前に、あいつの一番手をやるぞって…!
…だ、だからあのクソオヤジ、あのクソアマともども湖に沈めてやったよ!」
「!!」
「か、かなり抵抗されたけど、一度殺せばあとは簡単さ…!
息を吹き返すまで簀巻きにしてでかい石にくくりつけたら、そのままドボンってね!
途中引きずられて、おれも結構大怪我したけど、おれはこうして助かってあいつらはまだ湖の底でもがいてる!
き、きっと今頃、何度も死んだり生き返ったりを繰り返して、死ぬより苦しい目に合ってるよ!
は、はは、ははははははは、魔女さまを悪く言った罰だ!!」
「だ、だめ! そんなのいけません!!
ね、その場所を教えて! 今すぐ助けに行きましょう!!」
「いやだ! あんなやつら、魔女さまに助けてもらう価値もない!
…ね、ねえそれより魔女さま。あいつが依頼した魔女が来るより先に、ふたりでどこかへ逃げようよ。
そそそうしてそれから、ずっとふたりで暮らすんだ。結婚しよう、ふふ夫婦になろう、ね、魔女さま…!」
「………ぃ、ぃゃっ、っぁ…!
な、なりますっ。なりますからっ、お願い、お願いっ、どうか、ご両親を沈めた場所を教えて…!」
「な、ななななってくれるの!? ややや、やったぁ!
じゃあ、じゃ…あ? …ァああああ。ア。あ…」
 魔女を抱いたまま不自然に痙攣しはじめる患者。次の瞬間、雷に打たれたように大きく震えホワイトアウト。
「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」
「きゃああああああ!?」

 百騎兵サイド。
『おっ、結界が消えてるじゃないか。キヒヒ、何があったかは知らないがこいつはチャンスだ。
百騎兵、ピラーの気配は町の奥にある。恐らく守護者であろう魔女を半殺しにして…そうだな、依頼者に一応報告しに行ってやれ。悪魔にトドメを譲るのはそれからだ。
…そう言えばお前、依頼者をちゃんと見つけたのか?』
 首をかしげてから肩をすくめる百騎兵。
『…お前なぁ。
にしても依頼者も依頼者だ。このワタシに依頼しておきながら、出迎えの一つもないだと?
一体、どこをほっつき歩いているんだか…』

 魔女の住処まで到達すると、成り損ない魚人の化け物が意識を失った魔女に何かをしようとしていた。
「あいつ…!」
『うん? …こいつが守護者なのか?
予定とは違ったがまあいい、百騎兵。とりあえずあのド腐れ魚人をぶちのめしてピラーを咲かせろ。
魔女へのお仕置きは…キヒヒ。そのあとだ』
 振り返る化け物。
「…ケッ、コ……マジョ、ザマ…マジョザママジョザママジョザマ…!
ギャギャギャギャギャ! ジャマッ、ズルナ゛ァ゛!」
 勝利すると悲鳴を上げて力尽きる魚人。直後大ピラーが姿を表すが、同時に気を失っていたはずの魔女が意識を取り戻す。
「…あ、あなたがたは、一体…!」
『ワタシは沼の魔女メタリカ、こいつはシモベの百騎兵だ。依頼を受け、湖畔の魔女を退治しに来た。
確認するが、お前が湖畔の魔女でいいんだな?』
「依頼…! そうでした、お願いしますっ魔法生物さんっ!
わたくしを退治する前に、彼が意識を失わないよう呼びかけ続けてください!
ほんの少し、少しのあいだでいいんです…! 用件さえ終われば、わたくしはどうなっても構いませんから…!」
『はあ…? お前、頭がおかしいのか?
この魚人もどき、見たところ膨大な魔力に耐えきれず肉体が変異した元人間だろう。
いくら守護者になってもそれを制する知性がなければ意味がない。魚人にもなれず人間にもなれないようなヤツがおめおめと生き伸びたところで、いいことなんかこれっぽっちもないぞ』
「でもっ、それはわたくしが原因だから…!」
「…アルティナ、無意味なことはよせ。
そいつはもう死んでいる」
「あなたっ!? …死…っっ!?
あ……ぁ、あ……そんな、なんてこと……!」
 膝から崩れ落ち、慟哭する魔女。
『なんだ…? さっきのヤツはこいつの実験体じゃないのか』
「…患者だ」
『はん? こいつ、患者に魔力を与えて何を…いや、まさか…』
「相変わらず、俺の忠告を無視して患者たちに与えていたのか。エリクシールを」
『エリクシールだと!?
しかしあれは魔女の秘薬だぞ? 魔力を持たない人間に飲ませたって…』
「だからこいつはエリクシールを飲んだものたちと自分の魔力を共有できるよう細工をした。そうすれば、どれだけ魔力を持たない人間にでも不死性を与えられると推測してな。
…だがそれをしたところでどうなる。
人間どもは永い年月に耐えうるだけの精神力など持ってはいない。ただ生きながらえるだけであれば百年もしないうちに性根も、魂さえも腐らせて、お前の負担となり害悪を撒き散らすだけの忌まわしい存在となろう。
事実お前が助けた連中は、こうして無関係な魔女に依頼してまでお前を排除しようとしたではないか…!」
 泣き止む魔女。杖を手に静かに立ち上がる。
「…だからわたくしは、あなたが危惧していたことを踏まえて使命感が宿る効果も付け足しました。
寿命が長くなった以上、それを費やすに値するなにか、彼らそれぞれにできることをさせてあげれば、魂の堕落は避けられると信じて…!」
『ふん。無意識のうちに植えつけられた使命感なんて、洗脳…いや、新しい拷問の手段と呼ぶべきだろうな。
つまりお前がしていたのは延命でも助命でもない。ただの自己満足だ』
「っっ違いますっ!!
…あなたは。あなたは知らないからっ! …誰か、大切なひとが自分の目の前で死んでいくことの哀しさを、自分の無力さを知らないから!」
『キヒヒヒヒ! 笑えるくらい甘っちょろい泣き言だな!
…しかし自己満足で魔女の秘薬を人間どもに振る舞うなんて愚行、いくらワタシでも見過ごせない。
さあ百騎兵! この半端女を叩きのめしてやれ!』
「…沼の魔女。
よろしいですわ。命の尊さを知らないあなたに、その片鱗味あわせて差し上げます!」
 魔女に勝利し、今度こそ大ピラーを咲かせる百騎兵。続いて現れたメタリカを一目見て覚悟を決めたか、倒れ伏していた魔女、とどめとばかりに自分の胸にナイフを突き立てようとする。
「アルティナッ!」
「させるか!」
 コウモリより先にメタリカの魔法によって体を拘束される魔女。
「…全く。ワタシがいたぶるより先に死のうとするな。
おい、百騎兵。お前は今のうちに依頼人を探してこい」
「ぃ…依頼人は…あの、彼に…」
「あん?」
「…湖の底に…沈められて……お願い、どうか、助けてあげて…」
「ふむ、そうだったか…。ならどうしたものかな。
あんなだだっ広い湖を一から探すなんて面倒だし、ダウジング・ペンデュラムをするほどの労力も使いたくない…かと言ってこんなところまで来てタダ働きもご免だ…。
しかしそうだな…湖畔の魔女。お前が自分で探したいと言うのなら、手伝ってやらんこともないぞ?」
「?…一体、どういう…」
「…沼の魔女。俺との約束を忘れた訳ではあるまいな」
「覚えているとも。しかしお前に譲るのは最期の一撃だ。生きてさえいればどうしようと構わないんだろう?」
「…ああ。だがそれはエリクシールによる魔力の共有を止めさせる前提あってのこと。
こいつを魚や魚人にしたいのなら、やるべきことをやってもらおうか」
「チッ、さすが悪魔。ちゃっかりしてやがる。
って…お前!」
 最後の力を振り絞り、メタリカの拘束を解いた魔女。そのまま自害するかと思いきや、湖のほうへと走ろうとする。が、百騎兵が殴りとばし事なきを得る。それでも湖のほうへ手を伸ばす魔女。
「…ぃ、ぃか、なきゃ…助け、…な、きゃ…!」
「……最期まで裏切りものの心配か。…愚かな女だ」
「だが、だからこそ輝かしくもある」
「あん? お前…」
 メタリカがコウモリを見れば、次第に魔力が彼のもとへと集まっていく。
「…力尽きてきたか。どうやら、さっきの一撃が留めになったようだな」
「……ぁ…ぁ、ぉ師……たす、……に…」
 魔力の光で姿がかき消されるコウモリ。あまりの強い光に、町側からも反応が。
「お、おいなんだあの光…!」
「…そ、それよりお前…なんだか、だんだん…」
「い、いやぁあっ! シワが、あたしの顔にシワがぁ…!」
「は、はは…ようやく、ようやくあっちに逝けるんだね…」
 光が収束した町、多くの人々が消えてしまう。残ったのは幾人かの死にかけの老人だけ。
 視点戻って魔女の住処。コウモリがいた場所に平然と佇む一人の男。驚くメタリカと百騎兵。
「お前、その姿…!」
「…ようやく待ち侘びたぞ、この時を。
さあ、アルティナ。湖畔の魔女!
契約に基き、代償にお前をただのひとりの女に戻す。そうしてその魂、その肉体、すべてを俺のものとしよう…!」
 宣言し、魔女の喉元に喰らいつく。
「…ぁっ…!」
 事切れる魔女。その遺体の下に赤い魔法陣が描かれたかと思えば、遺体をずぶずぶと飲み込んでいく。残されたのはメタリカ、百騎兵、男――よろしく元・吸血コウモリ。
「…吸血鬼。悪魔の中でも大物中の大物…」
「最初からこうしていればとも思わなくもないが…終わりよければ全て良し、か。お前たちには感謝しよう」
「ふん、お前との約束の件はなかったことにしてやる。…お前の魔力の源なんて、聞くまでもない」
「ほほう、なかなか気前のいい魔女だ」
「だがそれ以外について聞きたいことは山ほどある。…お前、あの魔女のことを契約前はただの女だと言っていたな。
そんなやつが魔女になんてなれる訳がない。そもそも吸血鬼の召喚さえ無理なはずなのにどうして…」
「ああ、そうだ。…召喚などされていない。
俺は自分からただの看護師だったあれを見つけ、契約を誘いかけただけだ。あいつの血と死後を代償に、俺の魔力の半分を引き渡すと…。
それからあいつは貪欲に…不器用に、ただ人の命を救うためだけに足掻き続け、結果として魔女の道を選んだ」
「…あの女の血はそれほど貴重なものだったとでも言う気か?」
「フフ…貴重だとも。数多の世界のどこを探しても、あれに並ぶものは一つとない。
あれと共にあれるのならば、姿が変じても気にならなかったが…封印されるとなると話は別だ」
「キヒヒ。お前が封印されたままならあの女、近いうちに外道に成り下がっていただろうに」
「そうなる前に手を打てたのは僥倖だった。重ね重ね、お前たちには感謝している」
「………ふん、脅し甲斐のない奴だ。
もういい。とっとと元の世界に戻ってあのクソ女と乳繰り合っていろ。そのだらしないツラをまたワタシの前に晒したら、吸血鬼と言えどぶっ飛ばすからな」
「それが約束であればそうしよう。ではさらばだ、沼の魔女とそのシモベよ」
 魔女の遺体を飲み込んだものと同じ魔法陣を出して姿をかき消す吸血鬼。だがメタリカの苛立ちはそう簡単にはおさまらない。
「ええい…おのれ吸血鬼!
このワタシを出し抜いて美味しいところを総取りだとぉ!?
それになんだあの惚気けっぷり! 見せつけやがってぇぇええ!」
 地団駄踏むメタリカをじいっと見上げる百騎兵。
「あん? お前…何をぼさっと見ている!
とっととこの町の目ぼしいもの全部かっぱらってこい! ワタシの眼鏡にかなうものが出てくるまで、沼には帰ってくるなよ!」
 一足先に沼に返ってしまうメタリカ。やれやれと肩をすくめる百騎兵。――家探しすべく、死に絶えた町へと戻っていく。

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