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・疑惑のめぐり

2012/11/28

 結婚とかにんっしんっなネタはちらほら見たりするけどこれはそんなないよなーとふと思ったのでございまする。
 当初は連載として考えてたとかお下劣な上に最低ね自分!



「……浮気、だと?」
「ま、まだ断定したわけではないっ!
い、一応その可能性が浮かんだから、少なくとも俺より経験豊富であるお前に訊ねてみただけで……!」
「しかし、さすがに余も妻に浮気をされた経験はないぞ。
ああいや、違ったな。もしあれが浮気をしていたとしても、今のところ気づかんで済んでおる」
「は? それは一体どういう……」
「良いか、ヴァルバトーゼ。
女と言う生き物は天然で計算高い。良人に火遊びがばれた際、離縁されたり相手に逃げられたり、被害のほうが大きいと予測するなら徹底してそれを隠すもの。
逆に浮気相手に鞍替えしたい場合や良人もまた後ろ暗い背景があったり、ぎこちない空気に燃える性質なら、連れ合いが自分の火遊びをおのずと見つけるよう隙を作る。
だから今まで余はあれに裏切られたと思わないが、それは実のところ、まだそんなものを見つけていない、と言ったほうがより適切なのだ」
「…………そ、そう、なのか。
なら、もしや、あいつは……!」
「それで、お前の方はどうなのだ?
お前が浮気と推理するに至った根拠をまず聞かせてみろ」
「……あ、ああ。
違和感を抱いたのは……確か、きっちりスケジュールを組み立てられてからだ。四月ほど前のことだったはず」
「スケジュール?」
「この日からこの日は会えないと、二ヶ月ごとに約半月、予定を事前に口頭で教えられた。
最初は保嫌所の仕事で夜勤でもするのかと思ったのだがどうやら違うらしく……」
「どこか別の場所に出かけるのを見たのか」
「いや……少なくとも夜は屋敷の自室に閉じこもっていると、二ヶ月前に知った。
……どうやら、それまでプリニーどもと口裏を合わせていたらしい。俺が尋ねてもどこかに行った、帰っていないと言うようにと……」
「ふむ。しかし、自室に閉じこもっていたなら別に誰かと会っている訳では……」
「……普段より頻繁にプリニーが出入りしていてな。うちの誰かが、実はプリニーの皮を被った逢い引き相手である可能性はなくもない」
「…………ふむ?」
「しかもそのうち何日かは、あいつ、タイツを穿いたり下履きを厚手のものに変えたり、妙に厚着をするようになってな。
俺が今までそれとなく言ってきたのに変えなかったのが、四ヶ月前から急にだぞ?
なんだ、その、見せたくない痕を隠しているのではと……」
「その手の痕跡は治癒魔法でどうにかなる。
それにお前の相手はあの天使の娘であろう? わざわざお前に怪しまれるものを肌に残しておくほど愚かには見えんが」
「だからそのっ、う、浮気相手があえて残しておくように言い含めたとかっ!」
「……お前相手にそんな方法で喧嘩を売りたがる輩もそうおらんと思うが」
「しかもその会えないことになっている日はいつも……、あいつは妙に艶めかしいと言うか色っぽいと言うか、その、なんだ異常に目を引いてだな!
……不意に機会があったからあやうく襲、いやそこまでは行っていないのだが!!」
「ほほう? それで無理に事に及んだと?
いやはや、若い若い……」
「そんなことできるかっ!」
「ではどうしたのだ?」
「……暴れるどころか泣かれれば……萎える以前の問題だ。服を剥ぐ前に解放した」
「成る程。肌を許してもらえたはずの女にそこまで拒絶されて、浮気ではないかと思うに至ったと?」
「後日そういう気分ではなかったからだと説明されたし、ほかの日は問題なかったが……
あれは……気分にならんどころの話ではなかろう……」
「ふぅむ……」
「それに期間中、党員の女どもがあいつに妙に優しいのだ!
あの傍若無人な小娘でさえ、体の具合だのなんだの細々気にかけているのだぞ!
どう考えても、裏で結託しているようにしか……」
「…………」
「……や、やはりお前から見ても、浮気だと思うか?」
「いや……そう簡単に結論を急ぐべきではない。ただ一つ気になったのだがな……」
「何だ?」
「その件について、余より以前に誰かに相談したのか?」
「……いや。こうも本格的に突っ込んだ事情はお前以外に話していない。
うちの党員の誰かに相談するのは人選に気を遣うし、波風が立ちかねん……。それにお前の息子は人生経験が浅い。大統領なぞ論外だ」
「……で、あの人狼族の男には?」
「そ、それとなく……間接的に、ではあるが……」
「…………やはりか」
「は?」
「いや、こちらの話だ。
ともかく事情については了解した。では余から一つ、アドバイスをしてやろう」
「う、うむ」
「押し倒せ」
「そ、そうか、押し倒…………は?
今、なんと?」
「その期間中、……そうさな、始まって三日か四日目くらいがいい。
夜、強引でいいから部屋に入り込んで、明かりを点けたまま押し倒せ。抵抗はどんなものであれ無視しろ」
「な、ななな……!!」
「別にそのまま無理に行為に及べとまでは言わん。下履きを剥ぐだけでいい。
それでお前の知りたかった真実がそこにある」
「そ、それは、確かに……浮気のようなら形跡が残っているやもしれんが、だからと言って!」
「多分、そのまま放置しておけば相手側からは一生説明はないぞ。
お前が抱く疑惑も解消されん。いや、されるとしてもずっと後だ。少なくとも一年二年のうちではあるまい」
「そ、そうなのか……?」
「そうだ。別にそれで構わんと言うなら何もする必要はない。いたずらに傷つけたくないとの意見もまた納得はできるからな。
だが、自分の女への疑惑について白黒つけたい、安心したいのなら……」
「………………」
「……お前の心中は察して余りある。
この件は、いやお前に訪問を受けたこと自体口外せんし、屋敷のものにもそう伝えておく。そうして一人でじっくり考えるがよい」
「……すまんな。何から何まで」
「わざわざ手土産を携えたお前に対して、そのくらいの気遣いはしても当然。
次に来るときは、実りある報告を期待しているぞ」
「……ああ」

~後日~

「ご就寝中申し訳ありません、ハゴスさま。『新党・地獄』からお電話です」
「……起きてはいたが、こんな時間にか?
ふむ。なにか緊急の用かもしれんな。受けよう」
「は」
「……こちらハゴスだ。どなたかな」
『夜分に恐れ入ります、『新党・地獄』のアルティナと申しますが』
「ああ、貴女か。何かな、こんな夜更けに」
『申し訳ありません。ただ一点、早急に確認したいことがございまして……』
「ふむ?」
『あの……以前、こちらのヴァルバトーゼから、何か、相談を受けたことがありますでしょうか?』
「……いや。ないな!
ちっともない。そんな記憶は全くない」
『そうでしたか……。わかりました』
「用件と言うのはそれだけかな」
『はい。重ね重ね、夜分遅くに申し訳ありませんでした。
それではお休みなさいませ』
「うむ」
ブッ! ツー……ツー……ツー……
「……あれは随分怒って……いや、まあ気にするまい」
「は?」

~更に後日~

「きっ、さっ、まぁあああああああああ!!!!」
「なんだ藪から棒に。親の仇に出くわしたような面をして」
「そんな生温いものかッッ!!
あのあと俺がどれだけこッ酷い目に遭ったと思っている!!」
「なんの話だ?」
「前の!! 相談のことに!! 決まっているだろうがッッ!!!」
「……ああ、あれか。
あのときは確か、誰にも口外しないようにするとお前にも伝えておいたはずだが?」
「それとこれとはまた別だ!!
てゆーかあれは当事者だぞ!! 隠すこともなかろうが!!」
「彼女も自分の浮気疑惑なんぞについてそう他人にべらべら話されたくはあるまい。
……で。お前、あのときの余のアドバイスをそのまま実行したのか」
「………………」
「それで、ようやく気付いたと」
「よ、ようやく!? まさか、お前……!」
「わからぬはずがあるまいて。
周期的に交合を避け、厚着をし、女どもから気を遣われる。その時点で勘づけ」
「月のものなど、すぐにわかるものか……!
だ、大体フェンリッヒとて……」
「恐らく気付いているぞ」
「んなっ!?」
「人狼族は鼻が利く。月経中の女は酷く臭うからな。
それをお前は艶めかしいだのなんだの、フェロモンとして受け止めてしまったのは、血に魅力を見出す種族の上に、お前が血に餓えているからこそだろうが……」
「むう……。し、しかし、ならばあいつはどうしてあんな推測を……」
「ま、何らかの思惑があったのは事実であろう。で、あのあとお前はどうなった?」
「……平手を喰らった。あと許可が出るまで出禁」
「ほうほう」
「ほうほうではないっ!!
大体お前のせいだぞ!?
俺はお前のアドバイス通りにしたと正直に話したと言うのに、お前は……!」
「まあまあ、疑惑が解けて良かったではないか。
しかし、今の時分に唐突になるものなのか?
それとも猫娘族や赤い月と同じように、周期に間が開いていたか……」
「詳しくは教えてもらっていないが、心の影響が体に出てそうなるとかなんとか……」
「つまり、相手側はお前の子を心身ともに孕みたくなったと」
「なっ……!
ま、間違ってはいないがそう明け透け過ぎる表現はやめんか!」
「いやはやさすがは天使と言うべきか……それでは浮気を疑われて立腹するのも仕方ない。
それで、相手をそんな状態にさせてお前はどうする気だ?
このまま現状維持はお前にとっては楽でも相手には辛かろう」
「…………ぐ」
「いい加減、覚悟を決めろ。
党内で件の娘が同性仲間に気遣われているなら、そう手ひどい風当たりではないと見えるが」
「しかし、それとこれとは……」
「公然の秘密で愛人状態は感心せんぞ?
まあ、別に召し入れる予定の悪魔の女でもいるなら……」
「おらんわそんなもの!」
「ならとっとと踏み切れ」
「………………。
その、一応、お前に聞きたいのだがな」
「なんだ」
「出来婚はセーフか?」
「アウトだ馬鹿もん」
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