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ご帰還

2012/04/15

 魔力の揺らぎを感じたのは、半ば偶然に近い。
 普段なら時空間の使用程度、逐一感知していられるほど暇ではないし、ついでに今は酷く消耗していたから彼らの帰宅についても朝になるまで見逃す可能性が大きかろうと珍しく諦め気味に考えていたのだがなかなかどうして。
 この胆力も日頃貪り食っていたイワシが与えてくれたのだろうと苦しい自己満足に浸りながら、痩身の吸血鬼はよっこら椅子から立ち上がり、いまだ手つかずのままで残された数々の書類の塔を避けながら、書類机や本棚やらに手を添えつつ執務室の外を覗き込む。
 幸い、魔翔族や怪鳥族、死告族や夜魔族、魔獣族その他諸々はいないようだ。手足が棒切れのような呪術師たちも、魔物たちを鼓舞する魔物使いたちも、あの忌まわしい男魔法使いたちもいないと知らされ、青年は思いきり安堵の息を吐いた。
 いやたかがそれしきで安心している場合ではない。我に返り背筋を伸ばした吸血鬼は、しかし相変わらず体力は意識を失い倒れ伏す一歩手前のままであるため控えの間からも壁を伝うようにして横切って、薄く開けた扉の隙間から廊下にそっと意識を配る。
 しかしこちらもまた誰の気配もない。もう見張りの必要もない時間帯だと判断したのか。
 時計を見るのを忘れていたが、かと言って確認しに戻るのも酷く億劫だ。それでも深夜を知らせる鐘は聞いていなかったように思うし、まだ日付が変わっていないはず、いやそうであってくれと願いながら廊下に這い出る。
 扉を開ける動作に足下が崩れかけたがどうにか踏み留まり、窓際の壁に手を添えながらどちらが玄関だったかを思い出そうとする。しかしそれさえも困難になるほど自分を弱らせるとは、容赦なく痛めつけてきた連中と彼らを指揮した執事に賞賛を送りたくなるが、同時に少し恨めしい。ここまでするなら執務室にイワシ一尾くらい残してくれてもいいだろうと口先を尖らせたくなったが、敗者に情けをかけるほどの慈悲を悪魔に求めるのは些かなおかしな話かもしれない。
「……んぐ」
 歯を食い縛り、確かこちらだったはずだと玄関がある方向へのろのろと歩みを進める。多分に蝸牛と競争すればいい勝負になるほどの遅さだったが、本人は必死である。
 しかしこれで誰かに見つかりでもしたらどうしたものか。事情を知らない党員やプリニーに説明できるほどの余裕はないし、かと言って事情を知るどころかあの自分を苦しめてきた面々のうちの誰かに見つかるのも全くありがたくない。
 それより先にあの天使の娘に出会いたいが、恐らくその隣にはあの四百年前の己がいて、ぼろ雑巾一歩手前の自分を見れば鼻で笑い飛ばすだろうと思えば臓腑が煮えくり返る。大体自分がこんな目に遭ったのはあれのせいだろうに。
 恨み辛みとはやはり悪魔にとってのエネルギーになりうるものなのか。痩躯の青年は執務室の椅子から立ち上がったときよりも多少しっかりとした足取りを取り戻し、玄関のほうへとより歩みを早める。
 廊下に灯る明かりは最低限で、窓の外から入り込む月明かりも、あとは沈んでいくばかりの低空に漂っているためあまり頼れるものではない。だから夜目が利くとは言え、体力の限界による視界の霞みも加わってあまり遠くを見れそうにない彼が真っ先に会いたかったものの存在を感じ取ったのは、視覚ではなく聴覚によって。
「……では、な」
「ええ。お休みなさい……」
 短いながらもそれぞれしっかり聞き覚えのある声の掛け合いに、吸血鬼の胸が逸る。
 もっと急ごうか。それともあの忌々しい過去の自分が完全に出て行くまで待とうかと僅かに逡巡したが、結局前者を選んで壁に手を添えたままもたつきながら早歩きで向かった彼に、桃色髪の天使の娘の驚愕の表情が見止められたのは数十秒後。普段と違う金のかかった貴人らしい装いはやはりため息が出るほど美しかったが、髪やスカートが多少不自然に乱れているように見えるのは何故なのか。
「あ、ある……」
「ちょっと、どうなさったんです!?」
 彼が話しかけるより先に男の姿を確認した娘は、その様子に暫し声を失っていたがすぐさま近寄りギガヒールを放って彼の傷を癒してくれた。直後降りかかった温かく心地良い光と浮遊感に、青年は吐息交じりの感謝を述べる。
「……うむ。助かった」
「助かったではありません。お屋敷の中なのにあんなぼろぼろでいるだなんて……一体どうされましたの?」
 浮遊感が抜けて以降は壁に手をつく必要もなくなり、軽く全身の皺やら汚れやらを手で払った青年は、どうしたものかと視線を明後日の方向に泳がせる。
「……いやその。大した話でもないのだが」
「大した話でもない割に、大したお怪我をなされているようでしたけれど?」
「…………む」
 こちらを心配しているからこそぴしゃり言い切る天使に気圧されて、青年は肩を落として降参、自分の情けなさを露呈しないよう、できうる限り正直に告白することにする。
「……その。お前たちが大統領府に向かったあとに、少し言いたいことがあったのを思い出したので席を立とうとしたのだが」
「あら、そうでしたの?」
「それをどう思ったものか、……フェンリッヒが誤解してしまってな。まあそれも結果的には解けたのだが、俺をここから一歩も出さんと、部隊を編成して襲いかかってきおった」
「まあ……」
 それは大変でしたと娘から同情たっぷりの視線を受けた青年は、内心後味の悪さを感じたもののなんとか口元を噤んで沈黙でやり過ごす。
 実際のところ、人狼の執事の予想と過去の己の事前の命令は間違ってはいなかったし、あの妨害がなければこの吸血鬼はふたりの大統領府行きを全力で阻止しただろう。そうなればあの迷宮入りした『地獄連続爆発事故』の下手人が誰であるかも明確化する可能性があり、もっと言えば真実を知った娘から失望されたかもしれない。
 以上のことを冷静になって考えてみれば全力で主の行動を阻止した執事はやはり執事の鑑と称えてもいいかもしれないが、それはそれとしてやり過ぎではないかとも考えられ。大体あのとき手も足も出なかった自分の姿に銀髪の人狼はやたら活き活きとしていたような記憶があるのだがそれは錯覚なのだろうか。
「……奴め。いきなり夜魔どもで四方を取り囲んだと思ったら麻痺と忘却と堕落でこちらの足周りと戦力を大幅に削いだ上、更に念入りに死告族と怪鳥族の特性で技を使えなくさせて更にはあの魔法使いどもめも加わりちくちくと……」
「はいはい。恨み節は明日にでも伺いますから少しは落ち着いてくださいな」
 明日などとつれないことを口にされ一瞬落ち込んだ吸血鬼は、すぐ真っ先に訊ねるべきことを思い出し全身を軋ませた。
「そうだアルティナっ!」
「はい?」
「から……!」
 身体は無事か。奴に襲われたりはしていないかと問うはずが、澄んだ瞳の上目遣いにごっそりと勢いを削られる。しかも今宵、娘は気を抜けば見惚れるほど麗しく着飾っている訳で、化粧は落ちたらしいが破壊力は少なく見積もっても普段の五割り増し近い。
 まあ大統領府であの男と会う程度ならそんな危険な目に遭うことも――いや、もしやあの無作法な愚かものがふたりきりになった際つまみ食いをしようとしたかもしれない。察するにこの能天気な娘はあれを悪く思っていないようだし、血を吸う程度ならなどと接近を許してしまいそうでついでにうっかり身体の特に敏感なところに指を這わせて甘い声なぞ漏らさせたところでどうしたそのような悩ましい声など出していえそんなわたくし別になんともありませんけれどしかしお前の身体は随分と火照っているではないかそのままでは辛かろうよし俺が慰めてやるいえ待ってあのそのああそんなそこはだめぇなどと考えかけたところで激しく首を振って不快な妄想を追い払う。
 過去の自分の姿とは言え、最早他人と言っても相違ない青臭い粋がるだけの吸血鬼が、こちらおおよそ四百年近くお預けを喰らっている娘に先に手をつけられるなど想像でさえ胸が悪くなる。大体、もしそんなことがあれば娘は今日中に帰ってこなかったろうし、そうなったとしてもここまでけろっとしているものかいやまあ精神面は逞しいから平気な振りくらいはできるだろうが。
「……から?」
「あ。い、いやその……!」
 しかしここには彼一人だけではなく、この聡いはずなのに無防備な性質の悪い娘もいると自覚させられ、青年はもつれる舌をどうにか動かす。
「……か、身体は、無事か。何か、危険な目に遭ったり、怪我などしなかったか」
 結局紡がれた言葉は先程訊ねようとしたこととさして変わらない、過保護だと受け止められる程度の無難な問いかけで。
 当然、青年としてはにっこり笑われ平気ですわとの反応が返ってくるものだと予想していたのだが現実はさにあらじ。何とも表現に難しそうな、疲れの色濃い苦笑を浮かべられ、ぎょっと身構える羽目になった。
「……怪我は、幸いわたくしにはありませんでしたわ。けれどあの方もハゴス様も……その、わたくしが……」
「は? お前が?」
 しかし完全に予想の範疇外の発言を受け、全く事態が読めなくなったところで娘は慌てて言葉を重ねるものの、珍しく取り乱し気味でどうにも要領が悪い。
「いえ、あの、わたくしもできれば、平和的に解決したかったのですが、お二人とも頑固で、なかなか思うように落ち着いてくださらなくて……!」
「いや、とりあえずお前が落ち着けアルティナ。詳しい話は明日で構わんが、今は簡潔に、あそこで何があったか教えてくれ」
「は、はい……」
 青年の冷静な対応に言われた通り一応の落ち着きを取り戻した天使は、彼の手に促されるまま移動しつつゆっくりと語り始めた。
「……ハゴス様は、ご自分と、あのクローン悪魔の残党を人工『畏れ』エネルギーと一緒に処分しようと企んでおられたようです」
「残党……処分だと?」
「それらは全て、あの彼によって作られたハゴス様の罪の証であり……そのまま放置しておけば、魔界にとっての危険因子になりうると判断されたようですわ。けれどあなたはどうともなさろうとしないから、政拳交代後もおめおめと生き長らえたご自分ごと破壊してもらおうとしたのです……四百年前から訪れた、悪魔としての使命感と誇りを強く意識するあなたの手によって」
 説明を受け、青年の眉間に浅い皺が刻まれる。腕を組んだ女でさえも聞き取れるか曖昧なほど小さな声で、馬鹿馬鹿しいとのぼやきが漏れたが、彼女はそれを聞き流すことにした。
「あの方もクローン悪魔の件で随分怒っていらしたので、それをけしかけたハゴス様も殺す気でしたが……。その、結果からお知らせしますと、どうにかお二人とも止めることに成功しました」
 娘の報告は妙に白々しいものの、実際どうにかなったのなら今夜は無理強いすまいと吸血鬼は問いただしたい衝動を押さえつける。しかし言外に漂うものを彼なりに推理することくらいは自由なはずだ。
「……どうにか、とやらはあれか。麻酔銃を打ったとか、会話中、口の中に銃口を突っ込んで脅したとかそう言う方向性か」
「方向性、と言われましても……。そこまで粗暴なことはしていないと思うのですが……どう、なのでしょう?」
 詳しく話を聞かされていないのだからこちらに訊ねられても困る。そうしてまたも眉根を寄せた吸血鬼は、いやな考えを過ぎらせてしまい娘へとぎこちなく訊ねた。
「も、もしや色仕掛け、などはしておらんだろうな? 自分の身体を好きにしていいからハゴスを殺すな、など……」
「なっ……、申しておりません! だ、大体そんなこと、昔のあなたに通じますの!?」
「……相手と環境如何によっては考慮せんことはなくもないが……って待て! つまり貴様、色仕掛けが通じると確信を得れば実際に行ったと言うのか!?」
 それはそれで聞き捨てならない話だ。もしや今までの『徴収』活動でも似たようなことをしてきたのかと猛烈に押し寄せる不安から相手にかぶりつかんばかりの青年に、しかして娘は呆れの色濃い嘆息一つで杞憂を払拭する。
「行いません。そもそもそんな発想、今まで考えたこともありませんでしたし……はしたないじゃありませんか、そんなふうに自分の身体を取り引きに使うなんて」
 ぷくっと膨れた頬は、下品な話題を自分の身に当てはめられた恥辱と怒りに赤く、そんな彼女の清らかさを再度認識させられた男はまたも脱力した。前々から予感はしていたものの、今夜は色んな心臓に悪い。
「う、うむ……。そうだな、妙なことを訊いて悪かった……」
「本当です。……けれどあなたもお疲れのようですし、今回だけなら許して差し上げますわ」
 ついであっさりと頭を下げる青年に、くすりと天使は小悪魔めいた微笑を浮かべたものだから。
 その華やかな、だからこそいつも以上に鼓動を昂ぶらせてこちらの赤面を促す力を持った笑みに、しみじみと娘への感情を自覚してしまい吸血鬼は重苦い吐息をついた。そのついでに階段まで辿り着いたと察し、自然、ドレスの裾を踏まないようにエスコートすると対面する薄青い瞳が不思議そうに瞬く。
「……そう言えば、なんとなく流れのままにあなたにお任せしましたけれど、どこに向かっているのでしょう」
「今更聞くか。……お前の部屋だ。お前とて、随分疲れていたようなのでな。執務室で聞いてから帰すより、こちらのほうがかける時間も短くて済む」
「あら、気を遣っていただいて恐縮ですわ」
 本当に恐縮しているのかは不明だが、気兼ねのない笑顔で礼を言われるのは悪くない。鷹揚に頷き礼を受け入れた青年は、ここでようやく大切な、ああそれはそれはとても重要な本題に入ることにした。
「それで」
「はい?」
「……その。あいつの、ことについてだが」
「ハゴス様ですか? 例の件とやらについてでしたら……」
「違う。あいつだ。……その、お前と、あそこに一緒に行った」
「ああ、はい。四百年前のあなたが?」
 どうかなさいましたか、と言外に含んだ娘の声音に、どうかしたのかと訊きたいのはこちらだと青年はめいっぱいに顔をしかめながらも言葉を選ぶ。とは言えやはり率直を避けて、まあまあ無難な表現で。
「……お、お前を……、困らせるような真似はしなかったか」
「されましたわね」
「そうか、それなら……って待ておい!? 今なんと言った!?」
 痩躯の青年が叫んだのはよりにもよって音が反響しやすい階段の踊り場で、エスコートを受けるほど近い距離にいた天使は小さな悲鳴を漏らす。
 頭の中と階段にくわんくわんと響く木霊が数秒経ってようやく消え去ると、彼女は恨めしく相手を睨みつけた。
「もう、あなた今、何時だと思っていらっしゃるの? そんな大声で怒鳴らないでください」
「い、いやそれについては悪かったとは思うがそれよりお前、あいつに何を……!?」
「それは……」
 微かに言い淀んだ天使の娘の頬が、たかがそれだけの問いで巻き髪と同じくらいに鮮やかに赤くなってゆき。
 水色の瞳が、少ない月明かりに頼るばかりの屋敷の中でもきらり煌めいて、恥ずかしそうに伏せられたと思ったらすぐ瞬き対峙する相手をちらと盗み見る。
 その上で、彼女はとびきり可愛らしく、悪戯っぽく、絵画に描かれる恋する乙女そのものと言った風情で堪らなく魅力的になのに妖艶に、人差し指を唇の前に立てて笑った。
「……秘密です」
「はあ?」
 笑顔を目にして一瞬で意識を奪われかけた青年は、しかしその発言で一瞬で我に返って大いに焦る。あんなに思わせぶりな仕草を見せつけられておいて結局言わないなんて、詐欺にも近い。
「なんだそれは!? 困るようなことをされた上で秘密にする必要は一体どこにある!?」
「困るようなことはされましたけど解決したので秘密です。それにいくら仲間とは言え、プライベートにずかずかと足を踏み入れようとする真似はあまり感心いたしませんわよ、党首さん?」
「ぐ……!」
 党首としての立場を引き合いに出されると、途端苦しさを覚え一歩後退した吸血鬼の姿に天使はまたもくすくす笑って、あのときのことを思い出す。
 ――そう、あのとき。ふたりきりで大統領府からの帰り際。
 あなたは大切なひとですからと答えた彼女に、あの長身の青年は抱き締めてきたと思ったら唇まで奪おうとしてきて。
 さすがにそこまではと危機感を抱いた彼女は手中の金時計を楯にしてどうにかそれを防ぎきると、内心の動揺を押さえつけ、無理からに眉をきっと怒らせ睨みつけた。
「な……急に何をなさるんですか!?」
「それは俺の台詞だ。……何故いやがる」
 繊細な女心についてまるで理解しようとしない吸血鬼は、口付けの拒絶を受けても彼女の肩だの腰だのに無遠慮に手を添えたまま。
 いつかの守ってくれたときならともかく、今の状態ではそんな無法を見逃せなくて、娘は金時計で唇を庇ったままの体勢で大きく身じろいだ。端から見れば滑稽だろうが、彼女にとってはなかなか治まらない赤面を隠したい意図もある。
「い……いやがります! 段階を踏まえもせず、こんなことをされるだなんて……。わたくし、そこまではしたなくはありません!」
 天使の態度に男は何を見出したものか。暫しの沈黙がふたりを包むと、娘の身体に絡みついていた黒い両腕があっさりと放れた。
 解放された途端、鳥籠の扉を開けられた小鳥さながら彼から距離を取り激しく肩を上下させる娘に、無遠慮な問いかけが突き刺さる。
「段階とは何だ。何をすれば、お前は俺を受け入れる」
「だ、段階は、そう……、あの、告白、ですとか……」
「ああ、成る程」
 やけにあっさりと頷いた青年に、またしてもいやな予感を覚えた彼女は正しかった。
 背後からあくまで軽くドレスの裾を引っ張られ、そちらを振り向いた天使の娘が目にしたのは、あの男が。長い黒髪を襟足で一まとめにした、中世の貴族然とした誇り高き吸血鬼の青年が、恭しくもあっさりと自分の足元に跪き、自分の片手を優しく握ろうとする姿。
 触れてはいけない。手に取られてはいけないと反射的に腕を振り払おうとした彼女に、彼は今度は逃がさないとばかりにしっかりと捕捉してきて。
 必死で抵抗したはずなのに、またしても天使はあっさりと絡め取られ捕らえられる。黒い長身の男の腕の中、器用に羽を避けて細い肩を抱き竦められ、多分真っ赤になっているだろう耳朶の辺りに涼しい笑みが吹きかかった。
「乱暴はせん。お前の言う段階を踏まえるだけだ」
「そんな、こと……! もう止して、おからかいになるのは……」
「からかうつもりなどない。俺は本気だ」
「いや、やめて……」
「お前の全てを知りたい。お前の全てが欲しい。なんと言えばそれが許される?」
「だめ、待って、そんなこと言わないで……」
「……ああ。そうか」
 抵抗しているはずなのに。いやだと意思を示したはずなのに。
 それでも激流のように己の気持ちを貫こうとする彼に敵わず、混乱で今にも泣き出してしまいそうな娘に、青年はふと目を細めて。
 また手に取る。あの弾丸に貫かれた痕を残した右手で、黒いレース編みの手袋に包まれた女のしなやかな指を。
 指先にそっと唇を押し当てて。柔らかな感触と自分の体温とはまた具合の違う温かさに、じわり胸の杭の奥から熱が滲む。
 その上で言葉を、多くの悪魔が忌み嫌い、彼自身もまたいつかの過去なら馬鹿馬鹿しい、まやかしだ、自分には縁などないと一笑に伏した単語を。けれどつい先、涙で瞳を潤ませた娘の笑みを目撃した瞬間の落下していくような衝撃の中から見出してしまった、あの感情を。
「アルティナ」
「…………っ!」
 まずは女の、何より大切なこの天使の娘の名を添えた上で。
「お前をあい」
「待って!!」
 捧げる、はずだったのに。
 女の指が口の中に割り入る。思わずそれを噛みそうになった青年は、なめらかな肌触りに心地良い弾力の、しかし今となっては多少に忌々しさを覚えなくもない障害物をちらと眺めた。ついで真正面にいる、こんなものを自分の口に入れてでも告白を阻止した娘の表情を目にし、その気迫に鼻から呼気を抜く。
「待って。……それを言わないで」
 強い瞳だった。芯の入った眼差しだった。覚悟を決めた視線だった。
 なのにこちらに懇願し、この体勢でさえなければすがりつくように顔面を歪めて娘は頼む。
 わからない。
 芯からの嫌悪や拒絶は見られない。恥ずかしさと困惑を浮かべていても恐怖はない。だから自分の気持ちは受け入れられる。そう思ったのに、そんな顔でそんなことを頼んでくるなんて。
 前歯に突っ込まれた指を堪能することなく自ら首ごと動いて離してやると、青年は率直に訊ねる。左手は変わらず娘の二の腕に添えられたまま。
「何故だ。お前は先程段階を踏まえろと言った。俺はそれに則ろうとしているのに何故お前がそれを阻止する」
「……いけないからです。あなたがそれを言えば、わたくしはきっと拒絶できない」
「それは結構。ならば何も問題はない」
「あります! ……だってあなたは!」
 弾かれたように顔を上げておきながら、天使は視線を大きく彷徨わせる。しかしその上で何を決めたのか、強く言い放った。
「あなたは、四百年前のあのひとなんですから……!」
 喀血のごとき悲痛な叫びは無音の廊下に広がっていって、その余韻のせいだろうか。初恋の熱に浮かされた青年の頭が僅かに冷め、眉間に皺が寄った。
 直接的な表現を使わずとも、娘の態度に彼は無理から理解させられたのだ。
 あの痩躯の己を。一度娘と交わした約束を破り、以来血を吸わなくなったとか言う変わり果てた自分を、プリニー教育係となりこの魔界の事実上の支配者として書類漬けの日々を送るあの男を、この娘は愛しているのだと。
 だがそれがどうした。あの男がこの娘に迫らないなら自分が奪うまでのこと。何より先程、言っていたではないか。愛していると告白されれば、彼女はその気持ちを拒絶できないと――しかし翻せば、それは、つまり?
「わたくしは、……あなたを、一個人のあなたとして見れている自信がありません。四百年前、わたくしが出会った思い出の『吸血鬼さん』の虚像として、……決してあなたではない、未来のあなたの懐かしい姿としてしか、見れていない可能性があります!」
「……成る程」
 辛辣な分析に、青年は思わず歯を食い縛るように笑った。当然やせ我慢だ。残酷な娘の言葉にこの気持ちをそっくり冷まされてなるものかと、意地を張っている部分もある。
 そんな彼の心の痛みさえ予測できているのか。娘は痛ましげに瞼を伏せて、だが変わらぬ冷徹さで淡々と続けた。
「あなたは、そんな扱いを受けて平気でいられるはずがない。……たとえ今この場でいいと言ったとしても、それが本心のはずがありません」
「……そうかもな」
 なかなか自分に理解がある。
 だからこそ想いを受け取ってもらえないのが口惜しくて、吸血鬼は苛立ちながら尚も食い下がった。生憎とこれでも執念深いのだ。自分の気持ちにようやく気付き、その上で娘が欲しいと思ったから今こうして悪魔にとって唾棄すべき言葉さえ捧げる気でいるのに、これでは生殺しもいいところ。
「ならばどうすればいい? どうすれば、お前はただここにいる俺として、俺を受け入れる」
「……それは」
 またしても娘の視線が揺らぐ。顔が伏せられる。
 戸惑い歪められた柳眉、鮮やかに潤う瞳、きゅっと噛まれる瑞々しくいじらしい唇にどうしようもなく胸の奥を掻き立てられて、彼は告げる。いやもうこれでは切願に等しい。
「教えてくれ。……俺を試すと言うならそれでも構わぬ。お前を得るためなら、たとえどんなことであれ俺は厭わぬ」
「……どんな、ことでも……?」
「ああ」
 その言葉は、この天使にとって大いなる天啓、眼前に垂れる蜘蛛の糸だったのか。
 軽く目を見開くと、娘は一度固唾を飲んで、羽を揺らがせ後ろめたそうに、けれど覚悟を決めて。頬に硬質な線をみなぎらせ、真っ直ぐに彼を見据えてから、一言。
「……なら、待っていてください」
「待つ? ……お前が俺を俺として見る日が来るのをか」
 ゆっくりと、娘は首を横に振った。
 それだけの仕草に、何故か彼女の艶姿を目にしたときに嗅ぎ取ったあの八重の花の香りを鼻腔に感じてしまい眉を歪めた彼に、天使の娘は眩しげに目を細めて更に続ける。
「四百年待つと、約束してほしいのです」
「……四百年?」
「ええ。……もし本当にあなたが、わたくしを想っていてくださるのなら。その上で、わたくしにあの言葉を捧げてくださるのなら、四百年、待つと約束してください。それ以外では、わたくしはあなたのお気持ちを受け取れません」
「………………」
 それは、どう言う意味なのか。
 僅かの諦念さえ含んでいるのに晴れ晴れしくも切なげ笑みを浮かべる娘に、男は問う。
「もし四百年俺が待つ間に、俺がもとの時代に戻ればその約束はどうなる」
「そのときは、あなたがまたわたくしと会う方法探して待てばいいだけのこと」
「もし四百年俺が待つ間に、あいつがお前に同じ言葉を告げれば俺はどうなる」
「どうにもなりませんとも。四百年経ってもあなたがここにいらっしゃるなら、たとえわたくしはあのひととどんな関係であろうともあなたを受け入れます」
「…………」
 正直なところ、納得はできなかった。
 だがそれを受け入れるしか方法がないのなら、従うべきだと青年の一部が囁く。囁いた彼の一部は冷静なのか、必死なのか。いいやそのどちらでもない。未知の土地に胸躍らせる冒険者の心持ちだった。
 この娘は自分の本気を、三千世界の魔王の首を刈るのでも、恐怖の権化として宇宙に君臨するのでも、世に在る至高の宝を全て娘のものにしてやるのでもなく、ただひたすらの忍耐によって示せと告げているのだ。
 それはなんと単純な。しかしなんと困難な試練だろうと男は笑う。
 しかもただひたすら想いに身を焦がし待つのではなく、もとの世界に帰らない上で、あの男が娘に触れないように注意しつつ、しかも自分もまた娘へと過度に踏み込んではならない。
 ああ改めて考えればこの上なく面倒だ。だが、だからこそ胸の内に盛る炎の熱を感じ、成る程それほど困難な試練を乗り越えなければ天使は得られないものなのかと納得し、吸血鬼は獰猛に笑った。
「……いいだろう。それがお前の望みと言うなら、約束しよう。四百年後、必ずお前に言葉を捧げ、お前を俺のものにする」
「ええ。約束……覚えていてくださいね」
 天使の娘もまた応じるように、こちらは清く儚く笑う。
 過去の彼でさえ安易な約束で縛ってしまう自分のどうしようもなさに自己嫌悪を抱きながら。反面、これでいいと後ろ暗い自己満足に浸りながら。
 もしこの彼がもとの時代に戻り、その上で何も知らない人間だった頃の自分に出会ったとしても――またあの悲劇が、繰り返されることになったとしても。
 それでも憶えてくれるならば。四百年後、再会した自分にあの言葉を捧げてくれるのならば。きっと自分は受け入れる。喜んで、戸惑って、怖がって、けれどこれでもう死んでもいいと思えるくらいの激しい満足感で胸をいっぱいにしながら、受け入れるだろう。
 そう思うと、できれば眼前のこの彼が、四百年間血を絶ったあの彼であってほしいと願う自分にも気付き、やはり同一視していると遅蒔きに自覚した彼女は気の抜けた苦笑で肩を震わせた。
 そうして今。四百年前、彼女が人間だった頃に知り合った、おかしな吸血鬼の手に導かれながら。
「……やっぱり」
 わたくしがあなたが好きよと、溢れる想いをほんの少し零した娘に、前を歩く痩躯の青年は階段が終わったこともあり、足を止めて軽く彼女のほうに体を傾ける。
 唐突になにをと訊ねてくる愛しい血の色の視線に、しかしここは本心を綺麗に覆い隠すことにして、天使は白手袋に改めて導かれながら曖昧な笑みで誤魔化した。
「こんな格好もたまには悪くはありませんけれど、やっぱりいつものほうが気楽だと思いまして」
「……気楽とかそう言う問題かあれは。下着に近いぞ」
 苦虫を噛み潰したような顔でぼやいた吸血鬼に、娘はむっと眉を跳ね上げる。確かに露出が多く、慣れるまで色々と恥ずかしい思いはしたがそれでも天使長直々に用意してくれた装束を否定されるなど、いくら彼とは言え憤懣ものだ。それに何より。
「失礼ですわね! わたくしあの格好でも下着はちゃんと穿いています!」
 そこまで節度を忘れていないと胸を張って言い放った天使に、吸血鬼は大いに顔を赤くしてまたしても叫ぶ。
「そんな問題ではないわ!! と言うかその解釈はわざとか貴様!?」
「はい? 何がです?」
「……もういい何でもない。俺も疲れた」
 よくわからないが青年が疲れていそうなのは事実なので、はあと気の抜けた相槌を打った娘は進行方向へ首の位置を戻す。
 そうしてもうそろそろ到着するはずの自室の前に、黒い人影が見えたのは気のせいだろうかと多めに瞬きをしたところで、空気が少し変わった気がした。
「……何故こんなところにいる」
 それは間違いではなかったようだ。肌で感じ取れるほどの強い魔力に、隣を歩く吸血鬼の声が険を含む。話しかけられたのは自分ではなく、眼前の人影だと天使の娘が確信を得たのは、相手が一歩こちらに進み出たから。
 相手とは、先程別れの挨拶を交わしたばかりの長身の男。相変わらず不自然な皺一つも衣服に作らない黒い外套を蠢かせ、どこか優雅とさえ表現できる立ち振る舞いの黒髪の青年。
 そうして何より彼女をエスコートしている痩躯の吸血鬼の過去の姿が、約束を交わしたばかりで軽く気まずい顔をした天使にひたと視線を注いで口を開く。
「時計をそいつに貸したままにしていたのでな。返してもらいにきただけだ」
「時計だと?」
「……あ」
 確かにあのあと結果的に金時計を返していなかったと思い出し、天使は慌てて腕を外してもらいバッスルで膨らんだ腰から臀部にかけて探る。この辺りに確かコサージュだかリボンだかがどっしりと飾られていたので、鎖を引っかけるには最適だったのだ。
「そうでしたわ……。その、ごめんなさい、わたくしも忘れていて」
「構いはせん。明日でもよかったが、まあついでにな」
「……と言うかそんなところに引っかけるなお前は」
 頷き同意を示しつつどうにか時計をリボンから外し終えると、互いに睨み合う四百年を隔てたひとりの吸血鬼たちのうち、現在のほうから遠ざかり過去のほうへと遠慮がちに出向いた娘は、軽くこちらに差し出された白手袋に時計を納めた。
「ありがとうござ……きゃっ」
 と、ぱっと手首を掴まれてしまい、不用意な行動を想定していなかった天使は軽く飛び上がる。そんな彼女に男は薄ら笑いを浮かべて。
「貴様何を!?」
 背後から聞こえてきた呻きの過保護さに気を取られながらも、こんな趣味の悪い悪戯をしてくる今宵約束を交わした男へなるべく強く睨みつけようとした天使は、自分の手首を掴んだ白手袋の指先が、すうっと音も立てず上っていく光景を目にしてしまい。
 なんだかわからないが妙なざわめきを覚えつつ、しかし何をする気なのか皆目わからないためただ眺めるしかできない彼女の一際白く繊細できめ細やかな腕に、男の頭が近付いた。
 そして軽く、そこに何かが触れる。冷たくて、弾力を持っているものの指よりも柔らかくて、なめらかな感触の痛みのない何かが。
「は」
 そう、痛みはなかった。しかし肌に絶妙な、触れるか触れないかの曖昧さで、けれどやはり普通ではない肌触りの異物に撫でられたと思しき感覚に、そこが熱くて。熱くて熱くて火傷しそうに熱くなっていやもうこれでは全身に行き渡りそう。
 だと言うのに長身の青年は悠々と意地悪っぽい目つきで、薄青い瞳を限界まで見開き硬直している天使に笑いかける。
「お前との約束はあれを言わぬこと。つまりほかはお前が拒絶しない範囲でやっても問題ないと、そう捉えて構わんのだな?」
「……な。な。なななな……ッ!?」
 何を馬鹿なことを仰っているんですとか、何故そんな屁理屈がまかり通るとお思いになったんですかとか、何をしたんですかさっきのあれはいえけど答えなくて結構ですもう一度やらなくても結構ですと言うか二度とやらないでとか。様々な言葉が脳を駆け巡り結局まともに舌を動かせずにいる彼女の背後で。
「何をした貴様ァァァアァアッッ!!!」
 噴火と嵐が同時に巻き起こった。正確には違っていたが、まあ大体似たようなものが。
 髪やらドレスやらまで揺り動かんばかりの絶叫にようやく硬直が解けた天使を瞬時に通り越し、怒りで目を真っ赤にした痩躯の青年が長身の男の横っ面を殴り飛ばす――ところを腕を掴んでそれを防いだ。
 盛大な舌打ちに、眼前で何が起こったのか瞬時に理解できなかった娘の顔がまたも青くなる。赤くなったり青くなったり忙しないと、他人事めいていながらも青年はその様子をしっかりと見届けつつ鬱陶しいのに訊ねる。
「急に何をする」
「五月蝿い!! 俺の質問に答えない輩にはこちらも応じる必要などない!!」
 質問と一緒に襲ってくるような失礼な輩に、まあ道理かもしれないが唾を飛ばされつつ反論を受けるのはそれなりに不愉快である。
 未来の自分はなかなかに傍若無人らしいと今この場で一つ学んだ青年は、まだこちらに拳を食い込ませようとしている腕を頑として動かさず平然と答える。
「感謝ついでに改めて意思表示をしようと思い口付けた。痕を残すか迷ったが……あの反応を見るに残さずにいるのが無難らしい」
 さっきのほんの軽い口付けだけでも身体全体が真っ赤に染まるほどだったのに、そんなことをしてしまえばそのまま失神しかねないのではないかと、年若い吸血鬼は自称無難な判断に満足した。しかし失神するならしたで、娘を自室に連れて帰る口実ができたのではないかとの発想が浮かんでしまい、そうしなかった己に猛烈に後悔する。
 だがそこまで考えているとは全く知らぬ――知ったらその瞬間にあの大蝙蝠の暴帝を召喚していただろう――痩躯の吸血鬼は、一瞬唖然としていたがすぐに何故かこちらも顔を赤くした。男の、しかもあまり好ましくない相手の赤面とはあまり目に楽しい光景ではないが、こちらはなんとなくどす黒いような。つまり、怒りで頭に血が上っていると考えるべきか。
「くっ、口付けだと!? 貴様よくも俺を前にそんな……!」
「たかがそれしきで何を動揺している。よもやお前、童貞か?」
「違うに決まっているわ! 貴様が経験していることは既に……いやそんな話をしているのではない!!」
 尤もである。
 しかし空白の四百年のうち多少は味わっただろう女性経験くらい是非とも娘の前でお聞かせ願いたかったのだが、それはどうやら叶わぬ夢となったらしい。
 痩躯の青年は床を蹴り上げ身を捩ることで彼に腕を離させると、今度は空中からの踵落としで頭を狙ってきた。
「ええいとっととくたばらんかこの不埒者! 変態! 男の風上にも置けぬケダモノめが!」
「過去の自分に対して酷い言いようだな。……しかしこちらにも貴様に言いたいことは山ほどある」
 棒きれのように頼りない男の脚の連続攻撃を受け止め流した青年はせせら笑ってからそれを突き放し、攻撃を受けた分、しっかり反撃に躍り出ることにする。
 何せ今までは未来の自分に対し、党首としての立場もあるしほかにも色々と尊敬すべき部分があると考えていたのでこんなことになっても多少遠慮していた部分があるが、此度に到っては完全に恋敵と化したのだ。自分がよもや色恋沙汰で敵を作るとは思わなかったが、それはそれで別として、結果敵になった相手には容赦する気など一切ない。
 むしろこの場で完膚なきままに叩きのめし、ぼろ雑巾と相違ない姿を娘の目に晒させてやろう。そうすればきっと彼女はこの男に失望するはず。きっと自分に靡いてくれるはず。
「ちょっ、ちょっとおふたりとも……!」
 そうして拳を構えた彼の背後で愛しい天使の娘の悲鳴が聞こえてきたが、片目を瞑って笑いかけることで安心させてやろうと試みる。
 応援は高望みかもしれないが、勝利した暁には是非とも口付けでもいただきたいなんて不埒な思考を巡らせつつ長身の青年は眼前の敵に踊りかかったが――さて実際はどうなるものやら。


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