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百騎兵やってました

2013/08/04

 随分とお久しぶりでございます。魔女と百騎兵13章クリア致しましたので浮上です。
 先月のエロものは欲求を叩きつけた連載(予定)で、つってもまだ四話しかできてなくて終わりが見えない上一話一回エッチとなるとこってり過ぎて自分でも書いててうっぷってなってきたので放置したのを自分の誕生日祝いを兼ねて放流しただけなので気になさらないでください。
 とりあえず百騎兵ですよ百騎兵。世の中はドラクラ一色でおいおいこれ売れるの? な雰囲気の中で見事目標売上数達成した百騎兵ですよ百騎兵。かく言う私もどうなんかなーと思ってたし、見逃す予定もあったのにドラクラがkonozamaるから仕方なくそれまで持たせるつもりで買った百騎兵ですよ。
 結論からざっくり言うと超よかった。ぶっちゃけるとアクションパートは意図的な視界の悪さ、カバーできない、できてるのかわからないダメージ硬直の長さ、ミスティカルダッジの無意味さ等々爽快感に繋げられないどころか逆にストレス貯まる仕様にイライラうんざりさせられましたが、ストーリーは文句なしにいい。この質が日本一ちゃんから出てくるとは思いもしなかったよ昨今のD2とか神パラもあって尚の事!
 内容は大まかに言えばタイトル通り魔女メタリカと百騎兵の物語。だけど勿論この一人と一匹しか描かれていない訳ではなく、彼らを取り巻くキャラクターもまたがっつりしっかり描かれていて非常に満足。ビスコも森の魔女もルッキーニ、マーニィetc、端役のはずの魔女会の魔女たちのサブストーリーにも感動しました(=心を動かされた的な意味で)。
 色合いとしては古典としての童話、それも魔女の現れるものが下敷きにされているので、じめじめと生々しく残酷でエロチックな面を強調してますね。民話の赤ずきんちゃんが、騙されておばあさんの血と肉を食べさせられたような、狼に食べられる際に服を一枚一枚脱がされたような、もしくはそれよりもっと露悪的で下品な印象の話を最初のほうに置いたのにはそう言う意図を感じさせます。そしてその味に慣れてきた辺りで作品独特の世界観のエピソードをやんわりと投入し、毒々しいメルヒェンから、その世界の住人としてありながらも己の目的のために進んでいくメタリカと百騎兵の物語に昇華する手腕は実に素晴らしい。伏線の散らし方、回収方法も私好みだけど終盤は唐突だという声もわからなくもない。けど勘のいいプレイヤーにはなんとなく…と思わせる最低限の要素を残してるからいいと思うなあ。
 ついで魔女は魔「女」である訳だから、やっぱり色んな意味での愛で己を狂わせてしまうこともままあって。登場する魔女たちのその執念の行末も多種多様、ですがどれもこれも魅力的で楽しませていただきました。つーか最後の章に登場する魔女がですね予想外ながら私のツボにドハマリしてですね!! あれであのカップルの明確な立ち絵があったら私悶絶しながら二次ってた! 来るかな?って期待してたけど出てこなくてがっかりした! いやある意味安心した!
 主人公のメタリカことリカちゃんは無辜の村人たちに畏敬の念を抱かせるオールドタイプな魔女を貫くつもりが、百騎兵のお陰で世界と関わりを持ち少しずつ本性を見せていくのが何より可愛い。八章、九章の流れで百騎兵に独占欲を抱く姿がなんてかもうリカちゃんとしか呼べない勢いで……しかも十章の赤面ですよもうなにこのこかわいい一章の威勢はどこに行ったの。けど十二章のあれは正味厨二入ってると思う。
 百騎兵はすっとぼけつつも使い魔としてリカちゃんに忠実でもあって、台詞はないけど表情や振る舞い、活躍でしっかりキャラ立たせて小憎たらしい。特にビスコの扱いはお前一貫して酷かったな!
 ビスコは考察のし甲斐もあるけどあれこれ言うとネタバレになっちゃうから伏せるとして、とにかく十三章後のエンドロールの後ろ姿がめっちゃ私好みだと思うので正面から描いて欲しかったはらたけさんには!!!
 声優さんたちもシナリオの邪魔をしないどころか盛り上げるべきところできちんと熱演してくれる人たちばっかりなのが嬉しい嬉しい。その点、神パラ酷かったんですよ…某話では思わずミュートしながらイベント進めていったくらいなんですよ……つかスタッフインタビューで「Q:ラブライブの子らどうでした? A:収録スタジオブース華々しかったですねー」って演技について触れてない時点でお前らわかってただろ! ちなみに百騎兵で一番演技に心揺さぶられたのはマーニィです。可憐な笑いと豪快な性格のくせにおねえさんぶった物言いがぐっと来る。

 まあなるたけネタバレを避けるべく書いたつもりでしたが、さすがにこれ以上書くとその辺り触れそうなので以下は省略する感じで。
 とにかくシナリオは4以上と言うか今までの日本一ゲーの中で正直五指に入るレベル。ただしシナリオであってシステム周りはまだまだ洗練の余地があるのでこのチームには一回こっきりで終わって欲しくないです。つか今度からチーム買い確定だわこの出来はーと言う訳でキャラ萌えカプ萌えはともかく黒めでもがっつりなシナリオ楽しみたい方ならおすすめ! 難易度酷いと思ったらカジュアルあるし! つか頼ったし!

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魔女と湖畔のコウモリ-前編-

2013/08/13

 ここ最近のうだるような暑さのせいでどうもお脳のリミッター外れ気味なんじゃないかなと考える日々を送っておりますこんばんミ。尼のディスガイアラジオCDの予約画面で面子にとうとうキタエリが来ると知って質問いつの間に集めたんだよオイ!? 主従ラジオCDの時とは随分待遇が違うじゃねえかオイ! と響のあからさまなキタエリの待遇の悪さにちょっとムキムキきそうな感じです。まあミンゴスみもりん前のパーソナリティだからあんまお客様扱いする気はないってのは前回ゲスト時よくわかってたけどさ…それでももうちょっとさあ…これで4Rでもアルティナちゃん扱い悪かったりしたらマジ曇るんですけお…。

 まあとりあえずネガな話題はそれくらいにして最近のマイブームでございます。百騎兵クリアしたから嬉々としてドラクラに挑んだら予想外にもすぐ眠たくなってあんまり進んでませんが、妄想については相変わらずしっかりちゃっかり。
 世に言うクロスオーバーなんでしょうねー百騎兵と4の。と言う訳で流石の私も恥ずかしいので以下ワンクッション。

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魔女と湖畔のコウモリ-後編1-

2013/08/14

Q.百騎兵とディスガイアは全く世界観違うし設定の作りこみっぷりも違うのにどうしてクロスオーバーなんて考えちゃうのん?
A.はらたけデザインだから。

 多分これ以上の説得力はないな!
 はらたけ氏曰くディスガイアとは意図的にデザインの方向性を変えたそうですが、個人的にディスガイアとの違いはおっぱい谷間率の高さ(艶かしい~太ましいまで)と頭身の高さくらいしか思いつくものがありません。……あれそれって結構重要じゃ。あと3Dとドットの差で左右非対称デザインできるってのも大きいよね。
 ああ表情差分も良かったです。個人ではヴァレンティーヌのエロ顔とかテレッサのビビリ顔とかが大袈裟で好き。キレ顔持ちも皆よかったなー。
 百騎兵には理性的なキャラもそれなりにいるんですが、メタリカを始めとするギトギトの欲望持ちどもが自粛しないで暴れまくる作品でもあるので、自由だ悪だと言いながらなんのかんので全年齢対象なディスガイア悪魔勢よりエゴ剥き出しな表情が実に似合う。
 そう考えるとディスガイアは日本一の看板タイトルで且つCERO:Aの縛りのせいか谷間ないさんばっかり高露出で、また表情差分もギャグタッチだったり大人しかったりで可哀想な気がしなくもない。ここ最近ので一番印象残ってるのが閣下の目真っ赤にするアレだし……D2の殿下はほんと大人しくなったなあ。
 4Rではまあないだろうけど、表情差分も追加してくれるとちょっぴり嬉しい。フーデス姉妹にニヤニヤゲス顔とか閣下照れ顔とかアルティナちゃん動揺赤面とか欲しい欲しい。けどなー…アルティナちゃんなんか赤面描かれるくらいでもやいやい言われそうなのに発情顔なんて出てきた日には絶対ビッチ扱いされちゃうし…まあ海外版では一足先にフェンフェンがビッチと抜かしましたがね割合本気で腹立ったのであいつは何ぞ評価が変わる出来事が起きない限りフェンフェンで通すことにします。

 ……話長くなったな。ともあれ後半妄想あらすじー。あらすじって言いながら盛り上がりすぎて細かくなっちゃうのはもう仕様ー。


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魔女と湖畔のコウモリ-後編2-

2013/08/17

 響にラジオCD詳細きた!→キタエリは通常版収録。ゲストはHIYAMA→……ですよねー(:D)rz
 不用意な出費は避けられたがなんかこう……こう……

 百騎兵の売上D2超えおめでとうございます。これもう次回作か完全版確定と言ってもいいよね!
 今回は魔女と百騎兵の絆とか友情メインだったから次回は恋愛メインでおねがいしゃす! けどそれで主役陣が今作ラスボスのふたりの名前だったりしたらごっつい凹む! けど有り得そうなのがめっちゃ怖い!

 …これらのモヤッとしたり凹んだりな思いを叩きつけるようにあらすじ多分これで最後。


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魔女と湖畔のコウモリ-おまけ-

2013/08/17

 下のあれのおまけと言う割には台無し感が漂っててあーこりゃ一緒にしちゃ駄目だなーと思ったので隔離! あと甘味足りないよ何やってんの! って方向け!
 一応前回で「多分」って言ったし! 別に矛盾してないし! ししし!

 あ、R15くらいかなと思いますんでその辺お気をつけてくださいはい。うんもともと百騎兵自体がR15相当なんだけどね。


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休憩事情

2013/08/25


 初めて彼の出社に付き合ったのは、まだそういう関係になる以前のこと。
 天使だてらに悪魔の事務所で働くことについて、確かに最初のうちは戸惑ったし緊張した。たとえ潜入任務とは言えあまりにも危険すぎると天使の先輩たちから真剣に心配されたし、彼女自身も苛めくらいは覚悟していたのだが。
 実際のところは、苛めなんて遭う暇もない忙しさ。猫の手も借りたいの表現そのままの慌ただしさと業務の多さ、ついでに任務をこなすのに精一杯で、ようやく一息つけるようになった頃には、机周りの悪魔の同僚たちとは気軽に世間話ができるくらいになっていた。
 だから彼女の職場環境は程々に良好。月末の修羅場をかい潜る度に事務員一同結束力を強めていく状況に満足していたのだが、その辺りのこと外部からはよくわからなかったし、こちらもそう詳しく伝えていなかったのだろう。
 ある日、唐突に事務所の主である彼に呼び出されて、別の事務所に挨拶に行くから付き添うよう命じられた。慌ただしくスーツを羽織り、ホワイトボードの自分の欄に初めて外出と書いたとき、その文字が歪んで恥ずかしかったか。
 けれどそれを直す暇さえなく、玄関で落ち合いそのまま二人で電車に乗って二駅と徒歩十五分前後。どうして経理事務の自分がと尋ねることさえなんとなくはばかられ、行きはひたすら重苦しい沈黙が支配していた。
 緊張感が解けたのは、目的の人物と見えたとき。いつかに出会った恰幅のよいスーツ姿の男性、研修員としてこちらの事務所で勉強中の――とは名目上。無論彼も未成年に関わらず働かされている――死神の少年の父君に朗らかに笑いかけられ、彼女は自分が付き添わされた理由をようやく理解したのだ。
 天使の身でありながら悪魔の事務所で働き続ける気概を褒め称えられ、不便はないかと労われ、そこでやっと近況を素直かつ丁寧に報告できた。祖父のように満足げに頷いた元代表は、続いて彼をからかいながら仕事の話の入っていったか。
 結局会合は約一時間ほどで終わり、事務所への帰りしな近場のホテルのカフェに連れて行かれた。スーツ姿のまま入るのはどうなのかと物怖じしたけれど、打ち合わせに使っている人たちの姿に少し安心して適当に紅茶を頼んだつもりが。
 実際目の前に置かれたのは紅茶だけでなく特大のタルト。新鮮な旬の果実をこれでもかと言わんばかりにタルト生地に積み上げゼリーでコーティングしたものの横に、バニラビーンズたっぷりのアイスクリーム。ついでラズベリーとアングレーの紅白ソースが舞い散る一皿が差し出され、これを頼んだろう向かいの下手人を反射的に見やれば気まずげに目を伏せられた。
 どうしてこんなものをと問えば、まるで親にいたずらが見つかった子どもさながらの態度で。
「……その。詫びだ。今日、無理に付き合わせた……」
「お詫び? ……そんな。別にわたくし、何も不快な思いなんてしていませんのに」
「いや。お前を同行させる理由を事前に教えてやらず、無駄に緊張させたようだったし……すまん。気が利かなかった」
 軽く頭を下げられて、そんなそんなと恐縮しあとはお互い言い訳合戦。あのとき素直に訊ねなかった自分が悪いだの、いやあのとき自分のことで手一杯でお前に気を遣ってやれなかった自分が悪いだの、いやいや自分が自分がと責任の被り合いに必死になった男女がようやく落ち着いたのは、タルトに添えられたアイスがすっかり溶けた頃合い。
 無論飲み物も冷めていて、正直なところ味は落ちていたがこれについては喧嘩両成敗。頑固に譲らなかった自分たちが平等に悪いと落ち着いて、ふたり苦笑しながらようやく一息ついた。
 アイスを吸って醜く肥えたタルトを半分に切り、それを処理する心持ちで口に運びながら久々にたくさん話をした。職場の様子や仲間たちのことは勿論、私的な部分にも触れたけれど、そこはあくまでほんの少し。必死で無難な話題で盛り上がろうとしたのは、臆病風に吹かれた自覚がある。
 そうして概ね話すべきことがなくなったとき。改めてカフェの洒脱な内装を眺めながら、彼女はのんびり紅茶を啜りつつ呟いた。
「それにしても……少し意外でしたわ」
「うん?」
「あなたがこういう場所を知っているのもそうですけど、勤務時間内にこんな寄り道をなさるとは思えませんでした。そちらはいつもお忙しいでしょうに、いいんですの?」
 いたずらっぽくも咎めるような口調で訊ねれば、彼は悪魔らしくソファにふんぞり返って鼻で笑い。
「構わん。ときには無理にでも息抜きをせねば仕事にも支障が出よう」
「ふふ。無理にでも息抜き、なんておかしな言い回し」
「なんとでも言え。……まあ、お前がそう思うのは当然だ。俺自身、暫く前までこうして息抜きをする連中を軽蔑していたのだが……」
 そうしてゆっくり語られたのは、彼が事務所を立ち上げた直後のこと。今より人手が足りないのに仕事は山ほどある状況が長らく続き、この青年は随分と疲弊していたらしい。
 トップにも関わらずブラック企業の新人社員さながらの就業サイクルを繰り返していた彼の姿に、実際にそう仕組んだ人狼族の青年は責任を感じたのかもしれない。ある日、適当な用事をつけて勤務時間内に彼を事務所外に連れ出したのだそうな。
 人狼が誘導した先はカラオケ店の個室で、どこぞの議員先生に挨拶に行くものと思っていた彼は不可解なしもべの言動に怒ったが、相手はテレビを消しつつ神妙な面持ちで。
「……『今の閣下は破裂寸前のゴム風船のようなものです。今暫くここでガス抜き、もとい仮眠をお取りになってください』と抜かしてな」
「それでも、あなたはおいそれとそのお願いを聞くとは思えませんけれど」
「その通りだが、言い争っている間にも時間は刻々と過ぎていく。……空間を金で買う場所で喧嘩など、不毛とは思わんか」
「ふふ、確かにそうですわね。お部屋に連れ込まれた時点で負けたようなものです」
「うむ。俺も同じことを考え、渋々そこは折れた」
 仕方なくしもべから耳栓とアイマスクを受け取った男は、それでも主観で仮眠は二十分程度にするつもりだったのだが。実のところ覚醒にうんと背伸びをしたのはそれから二時間以上経ってからで、予想外の寝入りっぷりに当時の彼は愕然としたらしい。
「……それで思い知らされた。いくら責任を感じていようが、自分の体に無理強いはできないとな。ついで、効率のためにはいくら就業中であれ息抜きにも……意味がある、と」
「そう言うことですの」
 納得しつつ、彼女はだったら自分を今回同行させたのは、彼なりの気遣いなのだろうかと少し邪推したくなったが結局のところ沈黙を貫いた。言葉にするほどの勇気も自惚れも、その時期は全く足りていなかったから。
 けれどそれから幾らか経って、互いが抱えていた想いを言葉ではなく動作や己の昂ぶりで示し。彼女にとっては身体を貫かれる苦痛が少しずつ和らぎ、代わりに羞恥を糧にした快感を得だした頃。
 天の巡り合わせが悪いと言うべきか、日頃の行いの悪さが一気にここに来たのか。気付けば初々しい恋人たちは、付き合ってからたったの三ヶ月あまりで長らく逢瀬を阻まれてしまった。
 理由は片手で足りないくらいに多種多様。繁忙期がばらばらなのもあるし、プライベートに仲間うちで騒げても、そのあとギャラリーの関係でふたりっきりで逢うのは難しかったし、彼の側でも無視できない付き合いはあって、彼女の側でも外せない事情はあった。そんな調子で結局またいつか今度と引き延ばし、最後に会ってから二ヶ月が経過したと気付いたときの衝撃たるや。
 とは言え、倦怠期に突入した訳ではない。ふたりきりで会えなくなってからはメールや電話のやり取りを増やし、肌恋しさを言葉で埋める手段に切り替え互いの思いを頻繁に確認するようになったが、やはり直に触れあえる悦びには劣るもの。しかし何をかもを放り出して会いに行きたいと願っても、分厚い現実と本人たちの律儀で生真面目な性格が足を引っ張り逃避行とは相成らず。
 それでもまたいつか、顔を合わせる機会はあのときと比べて格段に上がったのだから待っていればいつか時期が来ると、己と相手を励ましていたのに――先に折れたのは彼のほう。いや、切れた、がこの場では適切かもしれない。
 ともかく、またしても唐突に昼の三時前。いつかのときと同じく寂しさを忙しさで紛らわせていた彼女は内線電話を受けた。相手は無論。
「はい、こちら経理……」
「俺だ」
「……き、吸血鬼さん?」
 虚を突かれたこともあり、不自然に周囲を警戒しながら彼女は受話器の向こうへと意識を集中させる。しかしそんな態度こそおかしいかと我が身を改め、落ち着いて対応しようとしたのだが。
「あの、どうかなさ……」
「また出社する。三時に玄関前まで来い。今日中に処理する必要がある仕事が残っているなら周囲に任せるか無理なようなら残業しろ。俺が許す」
「は……? あの、それって……」
 まともに訊ねる前に内線が乱暴に切られる。当然、一方的にもほどがある命令に彼女は受話器を片手に暫し放心、我に返ると立腹したが、そんな態度は追々のことを考えればむしろ良かったのかもしれない。
 代表に無理やり同行させられることになった旨を怒りを交えつつ直の上司に報告すれば、まあまあと宥められ残りの仕事はほかの子に回すよう都合すると直帰を許された。しかしそんな温情をかけられたのは、繁忙期まで一週間ほど猶予があるからだということくらい彼女も理解している。
 まずふたりきりになったら文句を言ってやろう、ケーキなんかで態度を和らげてやるものかと、怒り心頭でホワイトボードに直帰と書き込んだ彼女は、そのまま鞄と上着を引っ提げて職場を出た。
 そうして二ヶ月ぶりに、勤務時間内だがふたりきりで出会えた男女はしかし、一方は膨れっ面、一方は不気味なほどに表情が見えない不愛想面で事務所を出発。その様子はふたりを知っていようといなかろうと、恋人同士には決して見えまい。
 以前と同じく電車に乗って二駅先で降りたが、以前と正反対の方向に黙々と向かった先は墓地が目立ち、どこぞの議員先生の事務所があるとは思えなかった。それどころか、墓地の隙間を縫うように派手な建物が見えるがあれは一体なんなのか。
 長い沈黙に対し次第に怒りが持たなくなってきた彼女は、戸惑いと奇妙な予感から彼のほうをちらと覗き込んだりしたものの、男は脇目も振らず直進中。
「あの……」
 ついにどこに行くのかと文句ではなく疑問を口に出そうとした彼女は、男がこちらを省みようともせず建物に入っていく様子に悲鳴を漏らした。
「ええぇ……? もう、一体どこに……」
 慌てて追いかけた自動ドアの向こう、建物の内部は随分と薄暗かった。先まで明るい空の下を歩いていたこともあり、目が暗闇になかなか慣れない。カーペット敷きのエントランスには辛うじて観葉植物が見て取れたが、こんなところでそんなもの意味があるのか。
 そう言えば外装は見ていなかった。一体ここはどこなのだろうと、もう怒りより心細さが勝った心中で、液晶画面の前に佇む彼を発見。オートロック式のマンションだろうかとその手元を覗き込もうとしたら、そっと背に手を回される。
「行くぞ」
「え……? あの、ここ……」
 やんわりと、しかし有無を言わせぬ力強さで促され、エレベーターに乗る。マンションにしては宣伝用のボードがおかしい。会員様特典だの早割ウォークインだの食事を始めとするサービスメニューだの、一体なんのことなのか。
 ここはどこなのかとますます困惑を深めていく彼女を無視して、目的の階に到着したようだ。男は彼女の手を取って狭い廊下を黙々と歩く。
 それからランプが点滅する扉の向こうに遠慮なく連れ込まれ、スリッパを履きドアを開けられ恐らく最終目的地だろう場所を改めて目にし、彼女の頭の中の疑問符は今までになく巨大に膨れ上がる。
 そこは部屋だった。ホテルの一室、ということになるだろう。しかしやはり開放感が薄い、真昼だと言うのに夜さながら薄暗い。多分、照明が控えめで窓が小さいせいか。
 内装はまあ豪華と言えば豪華。壁紙やソファ、ベッドカバーなどは濃淡ありつつほぼ緑で統一されており、棚やテーブル、ドアは一式チョコレート色の木材造り。天蓋つきのキングサイズのベッドも含め、南国リゾート地の中でも格調高いホテルの一室をお手本にしていそうだが、生憎とそんな逃避や錯覚ができるほど彼女の心は浮かれていない。
 まさかここで誰かと待ち合わせでもするのか。一体どんな会合を開く気なのか。あと自分はどこにいて何をすればいいのか。
 一応、棚からポットとインスタントのお茶や珈琲、ついでに茶菓子も発見したが、二人分ずつしかないので客を招くには片手落ち。いやそもそもこんなところで本当に誰かと会うのか。もしそうならどうして彼は何も教えてくれないのか。そんなに自分は信頼できないのか。
 深くやるせなくため息を吐き出したところで、彼女ははたともう一つの可能性に気づいてしまった。
 ――もしかして。彼は自分と話をするためにここに来たのではないのかと。
 ネガティブな性格の自覚はないが、現状に至るまでの道筋に不安と不可解が強いせいか。その発想はたちまちのうちに天使の胸に悪い予感を広げていく。
 だとしたらやはり深刻な、誰にも聞かせられない話なのだろうか。もしやもしくはもしかして、今までそうなったらどうしようと、一番考えたくなかったことだけれど、天使の自分のせいで彼の評判が悪化したなんて最悪の事態が訪れたのか。だから彼は判断の末、自分を解雇し、関係も終わらせると秘密裏にここで告白するつもりなのか。ならこんな唐突な呼び出しも仕方ない。完全に醜態を仲間に晒す可能性を閉じた空間であれば、倒れようが泣こうが好きにできる。そう思えば彼の気遣いに感謝すべきだろう。
 そう自らにしっかと言い含める天使の女の表情は、だが衝撃と不安に青ざめて、今にも泣き出してしまいかねないほど。
 当然、本音を言うなら離れたくない。生まれて初めて出会ったやさしい悪魔の男の子。たった三日だけ過ごした彼と十数年の歳月をかけて再会できたのは僥倖と呼ぶべきだったし、その彼のもとで仲間として働けるのは後ろめたくとも嬉しかった。自分を憶えてくれていたことも、あんな些細な約束を守ってくれていたことも、ああそうだ。彼に関わる何もかもが万色の喜びと幸せに満ちていた。
 だからあのとき。今まで誰にも見せたことのないところを彼の前に晒し、視線や指や言葉、また彼そのものを受け入れたときだって、恥ずかしさや苦痛よりも喜びが勝った。今後どんな災厄が我が身に降り懸かろうと、この瞬間を後悔しないと心に誓った。
 けれどそれは彼女だけの、独りよがりな決意だったのか。彼はもっとずっと大人で、個の幸せより大局を見通せる『支配者』だと。だから悪魔や『畏れエネルギー』の復興という大儀のためには、十数年ぶりに出会った娘のひとり切り捨てられる精神の持ち主なのか。
 成る程、そこまで冷徹ならあの人狼が心酔するのも当然だ。誰かと比べてもさして有能でもなく、吸血鬼の個人的な感情により居場所を認められていた彼女にとって、それを切り捨てられるのは致命傷にも等しいけれど。
 しかし彼が決めた以上、自分もまた従おう。彼と離れるのは当然いやだが、彼に鬱陶しがられるのも不用意に困らせるのももっといやだから。そうとも、たかが身体を重ねた程度で追いすがるなんてみっともないだろうと、必死に離別の傷を浅くしようと自らに言い聞かせた天使は今更ながら気が付いた。
 彼がいない。
 ついさっき、いや部屋に入るまでそばにいたはずの青年が忽然と消えていた。そんなはずはないと小さな玄関を覗き込み、ワードローブやベッドの周辺までくまなく探す。窓を開けたがテラスはなく、廊下はドアノブのあまりのしっかりとした感触が――こわくて。ここまで確認して、完全にいないと思い知らされたら。もしくは、顔見知りであれ初対面であれ彼ではない人がいたら。その人に解雇と絶縁を告げられたら。そう考えただけで、ぎこちないながらにどうにか踏みとどまっていた双眸からついぞ大粒の涙が溢れる。
 わからない。まさかこんなところで迷子なのか。勝手にどこに行ってしまったのか。それとも彼に閉じ込められたのか。一体何故、どうして。
「吸血鬼、さん……っ、ヴァルバトーゼさんっ……」
 信じたくない。いいや、自分のくだらない被害妄想かもしれない。けれどならばなにを信じればいいのかわからなくて、最早まともに立っていられない心地で、それでも彼女は縋るように喉から声を絞り出した。
「呼んだか」
 と、調べていなかった引き戸が唐突に、やたら勢いよく開く。
 女の精神状態などいざ知らず、再び姿を現した吸血鬼は、何故だかバスローブを羽織り、タオルを首にかけ、ついでに髪が濡れていた。つまり入浴していたらしい。どうして今更。なんでまた。
「…………へ?」
「お前も入りたいなら入っておけ。フロントに電話すれば一応シャンプーだのリンスだのは目当てのものが届くらしいから、髪の手入れにこだわりがあるようなら少し待つが……」
「い、いえそんな……あの、ヴァルバトーゼさん?」
「どうした?」
 ふっと視線がかち合い、本当に久しぶりに彼を間近に捉える。
 その表情は彼女にとってはいつも通り、穏やかにこちらを気遣う慈しみが見て取れて、それだけで身を覆っていた困惑がさらり洗い流された。少なくとも彼は冷徹な支配者ではない。それだけは確か。
「……どうしてお風呂に入られたんです? こちらで会合か……その、ともかく深刻なお話をするにしても、それでは身だしなみを整えるどころの話では……」
「は?」
 紅い瞳がきょとんと瞬き点になる。
 何か悪いことでも言ったろうか。それともよもや自分は何もかも承諾しているものと受け止められていたのかと再び不安になった彼女に、青年は何か察したようだ。舌でも噛んだような面構えになり、続いて気まずげに軽く俯いて、最後はわざとらしく咳払い。
「……あー。アルティナ、悪いがお前の想像は間違っている」
「はい?」
 ではここへは何をしに来たのか。そもそもここはどこなのか。いや、ここまで来ればホテルの一室なのはわかるけれど、どうしてこんなところに連れて来られたのか。
 無言で数々の疑念を飛ばした彼女に、バスローブ一枚羽織っただけの吸血鬼は重い嘆息一つ。しかし明確に言葉で答えず、あくまでやさしく彼女の二の腕を掴み。
「え? は、待って、ち、ちょっと……!?」
 ずるずると奥、ベッドのある方向へと引きずっていく。
 ここでようやく危機感を抱き、ついで妙な方向に焦りを覚えた彼女の危機察知能力については、いや愚鈍と謗るなかれ。この手の施設の存在さえ知らずに育ったのだから、逆に察せるほうが不自然なのだ。
 と言う訳でベッドにぽんと突き飛ばされた天使の女は、突き飛ばした挙げ句、自分の上に容赦なく覆い被さった男のぎらつく瞳を視界に収めて、唐突に具体性を帯びた、今までの妄想とはまた別種のいやな予感に息を呑む。
「あっ、あの……!?」
「ここに来たのは『息抜き』のためだ。……言い訳にしか聞こえんだろうが、俺はお前と違って不調が出てな。早めに寝ても頭が蒸れて満足に眠れん、仕事中もやる気が出ず思考が脱線して集中力が疎かになる。お陰で決済も効率的に進まず、些細なミスで処理を遅らせる……我ながら未熟の極みだ。小僧に偉そうな口を利ける立場ではない」
 鮮血色の瞳は殊勝な言葉とは裏腹に、獲物を前にした肉食獣のごとくぎらついて。さっきまでわからなかったけれど、微かに血走ってさえいるような。
「それでこうして行動に出た。騙す気はなかったが……素直に言えばそれはそれで問題が多そうでな。こんな手を使ったことは謝ろう」
「い、いえっ、……謝るほどの、ことではないかと……!」
「そうか? ふむ、そう思ってくれるならありがたい」
 少しずつ彼女に近付いてくる男の顔は陰になって、もうその輪郭しかわからない。それでもにやりと笑ったのをなんとなく察した彼女は、羽と羽の間に冷たい汗を一筋流した。
「なら、是非お前にも協力してほしい」
「き、協力、ですか……?」
 その一言と同時に、男のバスローブの裾や紐がやたら存在感たっぷり彼女の体にもたれかかる。ついでタイトスカート越しにバスローブではないものの重みもずっしり感じ取った彼女には、最早みっともなく裏返った自分の声に恥じ入る余裕さえない。なのに。
「ああ。……一人なりお前以外で『息抜き』できないことはないが、そんなものは一時の誤魔化しだ、根本的には満たされん。ほかの誰でもない、お前が相手でなければなんの意味もない」
「………………」
 それは、愛を認めないことになっている誇り高き吸血鬼の青年にとってどんな意味を持つ発言なのか。単にこの『息抜き』が公務に関わる重大なものなのだと、自分と同じくらい堅物な女に伝えて協力を要請したいだけなのか。
 真意のほどは不明だが、ただその一言で彼と言葉を交わすまでの思考を見事に一蹴され、かなり危険な状態に追い込まれているにも関わらず天使は肩の力を抜いてしまった。ついでに目尻から熱いものがつうと一筋。
「アルティナ……? お前……」
「い、いえ……なんでもありません。なんでも……」
 あらぬ妄想からネガティブ思考に陥り、それが否定されたから安心して泣いてしまうなんて。自分を肝が据わった女丈夫だと思い込んでいる青年に説明できるはずもないと笑顔で涙の理由を誤魔化せば、獣欲に支配されていた男が複雑そうに理性を取り戻す。
「なんでもないはずがなかろう。まだ泣かせてもいないのにどうして勝手に泣く」
「……いえ」
 余計な単語を聞いた気がしないでもないが聞き逃してやることにして、ブラウスの裾で涙を拭った彼女はもう一度、今度はしっかり微笑んだ。それでも油断すれば、また安心で涙腺が緩みそうだったが。
「『息抜き』を強いられたときのあなたは、こんな気分だったのかしらって。そう、思っただけです」
「……強いられた?」
 かつて彼が語った息抜きの逸話とあまりにも状況が違うせいだろう。説明を受けても不可解そうな男の首に、彼女は無理から話題をそらすべく腕を絡ませる。
「気にしないで。……あなたの『息抜き』がわたくしと一緒でないと無理なら、早くしてしまいましょう? どうせここも、利用時間によって料金が変わるんでしょう?」
 それまでとは打って変わった彼女の協力的な態度に疑問を抱いたりしないのか。疑問以上に抱きつかれた悦びが大きいのか。青年は嬉々として女にのしかかると細い首筋に顔を埋めてかくも告げた。
「それについては心配するな。一応フリータイムで予約したし……一泊もできないこともないしな」
「は? ……はぁあっ!?」
 勝手に外泊を視野に入れられた、彼女がまともな思考を保てたのはそれまで。
 いつの間にかブラウスのボタンを全て外し、タイトスカートのファスナーも下げ、あっと言う間に恋人を下着とストッキング姿に仕立て上げた青年は、まさに餓えたけだものの如く白い肢体に襲いかかり――。
 以降について子細は伏せる。ただ若き吸血鬼にとって繊細なデザインのショーツに包まれた真っ白でやわらかい臀部が濃い色のストッキングにやや窮屈そうに包まれている状況は新たな発見とも言えるほど強烈にフェチズムを誘われる光景だったらしく、ありとあらゆるところを粘液まみれにさせられた天使の娘はしかし、そこだけは破かれようが粉を吹こうが頑なに脱がされず脱ぐことも許されずで随分と不快な思いを強いられたらしい。
 そうして彼らの『息抜き』が終わったのは、日もとっぷり暮れた夜中の八時。もうそのまま泊まったほうがよさそうな時間帯だったが、五時に一旦一息ついたはずなのに身体を清めた相手にまた催した男に反省を促すため、女が無理からに終了させた。
 あれで彼の心変わりがないとわかったのはいいことですけれど、それでもあれはもう『息抜き』の範疇外だと思うんですと泥酔した彼女が愚痴を零したのはそれから半月後。相手はよりにもよって彼女の育ての親を兼ねた天使長で、その場での直接的な被害と言うか損害はチューハイの缶二本ほど。しかし翌日、彼女名義で長期の休暇届を勝手に事務所へ提出し、また彼女をもうひとつの故郷である教会へと隔離し、そこから新たな戦いの火蓋が切って落とされたのかもしれないが――まあそれについてはまた、別の話。





後書き
 最初はただ現パロでアルティナちゃんとイチャつけなくてムラムラした閣下がついにブチ切れてもういい勤務時間中だけどラブホ行く! って調べまくる話だったけどそれだと動きがないなつまらんなってなってアルティナちゃん視点に変更。「ラブホ知らない子いいよね…」「いい…」モードに移行して不安から泣かせたくなったりならなかったり。

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